内容説明
平成十年、天界へと「サヨナラ」した著者が日本のエンターテインメント界に遺した偉大な功績のひとつが本書に凝縮されています。「苦労よ来たれ」「他人歓迎」「嫌いな人には会ったことがない」──淀川さんが映画から学んで生涯のモットーとしてきた、これが三つの言葉。この言葉のとおり、映画はいつも見る人に生きる勇気を与えつづけて来たのです。西部劇、人情劇、ミュージカルだけではなく、暗い恐しい悲しいだけの映画も、それが名画ならば、です。
目次
イタリア映画最高のルキノ・ビスコンティ(アンナ・マニャーニの個性を生かす;世界に注目された名作「夏の嵐」;「若者のすべて」と「山猫」;少年に魅せられた愛の姿「ベニスに死す」)
私のミュージカル・アルバム(「巴里のアメリカ人」でデビューしたレスリー・キャロン;本場ブロードウェイで見た「王様と私」と「私とジュリエット」;思い出のジーグフェルド劇場で「ポギーとベス」を見た)
戦争映画(ポールは、ちょうちょうをとろうとして死んだ;戦争の爪跡「ジョニーは戦場へ行った」)
美男スターの哀しみ(アラン・ドロンの悩み;頭から足の先まで美男のロバート・テイラー;山の手のトロイ・ドナヒューと下町のトニー・カーチス;アメリカ美男スター第1号の早川雪洲;伝説の美男スター、バレンチノ;父子ともに殉職したタイロン・パワー)
映画にみる恋愛学(アメリカ風恋愛スタイル;センチメンタルな恋愛映画;クラシックな恋への返り咲き)
スウェーデンとイングマール・ベルイマン(教会の壁画から想を得た「第七の封印」;夢と現実、過去と現在「野いちご」;神と人間と、「処女の泉」;女とはなにか、その生と死「叫びとささやき」)
インド映画のサタジット・レイ
(道の物語「大地のうた」;オプー少年の成長を描く「大河のうた」)
クリスマス映画(「汚れなき悪戯」のマルセリーノ;「野のユリ」のエーメン;「我が道を往く」の愛の世界)
映画のなかの会話の魅力
いつでも別離はつらい(「旅情」の別れと「終着駅」の別れ;アラン・ドロンの「個人生活」の別れ;名作「シェーン」と「禁じられた遊び」の別れ)
パゾリーニの人間探究(艶笑文学「デカメロン」の映画化;パゾリーニ美術「アラビアンナイト」)
淀川さんに百の質問
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