内容説明
長州藩主の侍医をつとめる漢方医の家に生まれ、幼くして大組士(高級藩士)桂家の養子となった桂小五郎は、嘉永五年、二十歳の秋に萩から江戸へ出た。江戸三大剣客のひとり斎藤弥九郎の練兵館に入門して修行に明け暮れた小五郎は、一年もたたずに神道無念流の免許皆伝を受ける。塾頭となって間もなく、ペリーの浦賀来航で日本中に未曾有の衝撃が走り、小五郎は砲術、造船術、西洋兵学と模索して、かつての軍学の師・吉田松陰の影響を受けながら、次第に志士としての成長を遂げていく。
感想・レビュー
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さっと
8
長州藩の維新回天の立役者・桂小五郎の生涯。上巻は江戸での剣術修行から第二次長州征伐まで。後の長州と幕府の対立構造からいうと、ペリーが来航してすぐのころの洋船建造の動きの中で、小五郎と中島三郎助(箱館戦争まで抗争した幕臣)が関わりがあったなんて、ちょっと意外でおもしろい。まだ平穏な(?)ころだったのね。意外といえば、小五郎と村田蔵六(後の大村益次郎)の蜜月も。下巻も楽しみだ。2014/04/18
BIN
6
維新の三傑、桂小五郎の生涯を描いた作品。上巻は薩長同盟まで。高杉晋作という目立つ個性人がいるせいで影が薄い気がする。幼少の頃は病弱で家族も続々と若死にする一族のようですが、剣道で体を鍛え、自費で江戸への剣術修行して、塾頭になったり長州内でも台頭する。基本的に慎重だが、水戸派と手を結ぶ羽目になったりと意外とうっかりさんなところがあって面白い人物。蔵六先生と結構仲いいのも良い。2025/12/01




