内容説明
慶長十七年四月、巌流島の決闘は武蔵の一撃の勝利に終った。だが、小次郎の復讐を誓う鴨甚内とおりんは、執拗に武蔵をつけ狙う。折しも九州路はキリシタン弾圧と南蛮人の暗躍で策謀渦巻き、剣風が吹き荒れていた。果てしなく武蔵を襲う剣と短筒。そして彼を慕う美女お孝……仕官の志を棄て、剣一筋の道に己の生きる意味を求める古今無双の剣豪の物語。
感想・レビュー
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mimm
6
目が寂しかったので、父の本棚から拝借。いきなりこの本から入ったけど、小次郎との戦いとかお孝さんとの恋愛(…か?)とか何やら面白い巻から読んだかも?な感じです。ある意味男性のロマンティックな面を感じた一冊。ただ私には歴史小説より歴史文献の方が肌に合ってるなぁと実感してしまいました。っていうか現代だったらただのキルマシーンだよね。武蔵って…。2012/11/18
びぎR
1
『巌流島の決闘後。小次郎の復讐を誓うものは武蔵をつけ狙う。キリシタン弾圧や南蛮人の暗躍で九州は風雲を告げる。お孝は武蔵を慕い探し求める。武蔵は二刀流を先に編み出した剣聖蔵人佐との面会を求める。』先日読んだ「宮本武蔵」のその後が知りたくて手に取った。作者も当然意識して(狙って?)書いたのだろう。お通→お孝と名前が変わったり、小次郎の周辺の人物も違ったり、あえて変えている感じもある。若き武蔵の成長を描いた「宮本武蔵」と比べると武蔵がすでに強すぎるのでやや平板な印象。敵の多彩さでそこをカバーしていくのかな?2019/08/25
inami
0
大山倍達のベース2004/07/13
Shoichi Kambe
0
*武蔵は、これまでも大事な試合は、常に一撃をもって、相手を倒した。…その勝敗は、紙一重の違いだった。…武蔵が、わざわざ艪をけずって四尺二寸の木刀を作った。…三尺ニ寸の長光と、四尺ニ寸の木刀の長短が勝敗を決したともいえよう。 *…二刀は、大勢を相手に戦うには、絶対有利だが、時によっては、一刀を両手に持って強く振ることが利を得る場合もあります。佐々木氏の場合がそれです。 *「…宇宙の理法を発見して、自由無碍の境地に到達し、苦悩のない、人間世界を作ること、これをわたしの兵法修行の目的としたいものです」2022/08/27