内容説明
自称ぐうたら人間の狐狸庵山人、各界第一線の文人・美人・奇人と対決す。さて、ご存知山人の毒舌と快筆やいかに。笑わせながらも現代の真相に迫る、一読百聞に勝る好エッセイ。主な登場人物、北杜夫・吉行淳之介・阿川弘之・瀬戸内晴美・山本富士子・キャバレー王・催眠術の教祖・巨人軍応援団長他二十余氏。
感想・レビュー
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せんむ
35
遠藤周作さんが初めて舞台が立つ日に、籠いっぱいの大根を贈る女流作家さんや、硬く難しい作品を遺した作家さんの意外な素顔を時に可笑しく、時に寂寥感を感じながら読みました。私もこんな思い出、たくさん欲しい。2017/08/20
コタツ
1
狐狸庵師匠が、交友ある人達を愛溢れるこき下ろしで描く作品。毒気とユーモアたっぷりで、往時を駆け抜けた名だたる方々の人間臭さを浮き立たせております。 特筆すべきは、原民喜さんの章。残した作品はそう多くない彼の人生の、ぽっと灯った小さな光。微かに震えているような絶妙な描写で、楽しく、悲しく、惜しむように浮き彫りにしています。これは是非読んで欲しいと思えました。2013/11/28