内容説明
ぐうたら人生の味を開陳する狐狸庵山人の珍妙なる人間学。秀吉の夫婦喧嘩を仲裁する信長に英雄偉人の尻尾を覗き、酒癖のあれこれに人情風俗の妙を知る。権威や独善には背を向け、劣等生的人間に豊かさを見、親愛感を覚える。愛すべきはマヌケ人間、語るべきは気弱人間。人生の味をいかんなく示すエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
67
面白かったです。『沈黙』などのキリスト教にまつわる文学を描かれている方と同じなのかと思わされました。ユーモアたっぷりに描かれたエッセイはくだらない話が殆どですが、時折考えさせられる話題もありました。2019/03/30
inami
34
◉読書 ★3 読書好きの仲間たちに「【遠藤周作】の作品ってすごくいいんだけど、やたら重いよね(自分は『沈黙』と『海と毒薬』の二冊しか読んでいない)」と話したら、「いやいやこれが同じ著者の作品なの?と思うような本もたくさんありますよ」とのことだったので読んでみました。本書はエッセイですが、遠藤氏の人柄がよくよく伝わってきました。子供のころ雨の日に傘をさして花に水をあげたエピソードは笑ってしまいましたが、『沈黙』という名作は、長崎旅行⇒偶然のご縁⇒長崎が好き⇒切支丹勉強開始⇒作品完成・・ということのようです。2022/12/07
犬こ
25
エッセイを好きになったきっかけは、遠藤周作の影響が大きい、そんなことを思い出しながら本書を読みました。これ昭和47年初版だけれども、古く感じず、ユーモアあふれ、遠藤周作の人柄がにじみ出ています。面白い作家だったな~『人生を生きる上には、行為を先にすることによって自分の精神、心情をそれに伴わせるほうが便利な時も多いものだ』φ(..)2016/06/06
こうすけ
22
遠藤周作のもうひとつの顔。下ネタばかりで、デヴィ夫人にセクハラしたりとどうしようもないオヤジ。肩の力をぬき、話半分に受け取りましょう。数年に一回、沈黙みたいな小説を書くので真面目な人間だと思われて困る、という愚痴が笑えた。2023/10/10
カバミ
7
寝る前の本にちょうどいい。 これから、真面目な方の遠藤周作さんの本に挑戦するので、そのギャップを楽しみたい。2016/02/13