内容説明
アメリカ人の84.8%が、天国があると信じている!?イラン国民は94.1%が…そして、日本人は?死んだらどこへ行くのか?それぞれの死生観の違いと共通性を理解することにより、世界の調和を、新しい角度から考え直す、気鋭の宗教学者による、鮮烈な問いかけ。
目次
1 伝統的な天国・地獄観(三大宗教と民族宗教の他界観の違い;キリスト教の天国と地獄;イスラムの天国と地獄;仏教の天国と地獄)
2 現代の天国・地獄観(近代化による変化;現代イスラムの天国・地獄観;現代日本の極楽信仰)
著者等紹介
藤原聖子[フジワラサトコ]
東京大学文学部宗教学宗教史学科卒。シカゴ大学大学院博士課程修了(Ph.D.History of Religions)。大正大学人間学部教授。専門は比較宗教学、比較文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
6
三大宗教の比較考察。現代イスラムの天国地獄観が興味深い。自爆テロを起こしたものは天地どちらへ行くのか、議論を引き起こすという。「イスラムの家」を守るための勇敢な行為だと評価する場合は殉教者とされ天国に行くはずだとされる。それに対しイスラムはテロを肯定しておらず自爆はイスラムが禁じる自殺に当たるという解釈もあるという。911テロ犯は、殉死すれば72人の美女が与えられると信じていたという風説流布に、ムスリムでもこの伝承を知らない人がクルーアンにはそんな記述はないと怒りだし、偏見が偏見を呼ぶ事態となったという。2020/06/12