内容説明
食通としても知られた希代の政治家・木下謙次郎の長年にわたる食研究の集大成。古今東西の食材・調理法・食文化を縦横無尽に論じて「美味とは何か」という根源的な問いに迫ると同時に、人間の食を通して、動植物の生態から文化・歴史・科学・倫理までをも見渡して、飽食の現代に生きる我々に食べることの意味をあらためて問いかける。刊行から三か月で五十刷(初版含む)に達した、大正期の空前のベストセラーにして、ブリア=サヴァラン『美味礼讃』、袁枚『随園食単』と並び立つ食随筆の名著。福岡伸一「食べることは生きること」(現代語版への序)を収録。
目次
第一章 美味の真
第二章 人類と食の生活
第三章 料理の通則
第四章 各国料理の概観
第五章 栄養学研究 付録 中国王朝時代の模範食
第六章 善食類
第七章 悪食篇
第八章 魚類篇
著者等紹介
木下謙次郎[キノシタケンジロウ]
1869年(明治2年)、現・大分県宇佐市安心院町に生まれる。1892年(明治25年)、東京法学院(現・中央大学)を卒業。1902年(明治35年)衆議院議員に初選出され、通算九回当選。逓信省参政官、鉄道省参事官を経て関東庁長官、貴族院議員を歴任。政界では「キノケン」の愛称で親しまれ、また策士としても知られた。一方で食通としても名高く、庖技に長じた。1925年(大正14年)1月には、長年の食研究の成果をまとめた『美味求真』(啓成社)を刊行し、同年3月までに第五十版に達する空前のベストセラーとなった。交流のあった北里柴三郎は序文に「(自然科学の道ではなく)政界に身を投じたのは一大損失」と記した。のちに続編二巻も刊行。一九四七年(昭和二十二年)没
河田容英[カワダヤスヒデ]
1969年(昭和44年)生まれ。大学生向けの海外留学支援企業・株式会社ログワークス代表取締役。また社会人ビジネスパーソンがイギリス国立大学や欧州大学のMBA(経営管理学修士)およびDBA(経営管理学博士)を取得するための教育企業・エグゼジャパンビジネススクールの代表を務める。自然言語処理の研究にも従事し共著論文多数。イギリス長期滞在時に幾つもヨーロッパのレストランを訪ね、海外での食と文化に数多く触れる機会を得たことや、帰国後に海外諸国と日本の食文化の相違、類似、ありかたを思想的視点から捉えなおすようになったのを機に、二〇一六年より郷里の政治家・木下謙次郎の著書『美味求真』の現代語訳に着手しウェブサイトで公開を始める。その後、『美味求真』に注釈を付すという方法で食にまつわる文化、歴史、哲学に関する記事を発信し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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