内容説明
死の事実と生の記憶さえも闇に葬られるのか?毛沢東時代と変わらぬ政治体制下の中国、忘却に抗して記録する文革犠牲者の「生・死」の記録!
目次
第1部 毛沢東時代の政治運動における受難総論(テーマと方法;迫害が特に多かった六つの集団;毛沢東最後の政治運動「文化大革命」簡単な結語―受難・歴史・教訓)
第2部 文革受難死者八五〇人の略伝一覧表(「文革受難死者六七一人略伝一覧表」;「文革受難死者―学者・知識人・著名人(死亡年別)一覧表」
「文革受難死者総索引一覧表」)
第3部 論文特集「毛沢東社会主義の残酷な実態と理論的錯誤」(毛沢東・中国共産党の大学・学問・知識人弾圧;反右派・大躍進運動期の『毛沢東の秘められた講話』を読む;四川省の農村で毛沢東時代の一七年間を生きた日本人の証言;労働改造所で死んだある老教授と、その家族の無惨;血をインクに転ずる惨痛―「林昭:プロメテウス受難の一日」を切口に;わが父の、かくも長き受難の日々;―挑戦戦争でアメリカ軍の捕虜になった中国志願兵士の記録;文化大革命が残したもの――道徳の高みからの強制;毛沢東の「社会主義・共産主義理論」に対する原理的批判)
著者等紹介
王友琴[オウユウキン]
1952年生まれ。女性、北京師範大学附属実験中学在学中、1966年夏、紅衛兵運動に遭う。両親の出身階級が教師だったため身分が悪いと迫害された。まだ17歳にもならないのに14歳の妹と共に雲南省に下放され、6年間、貧苦の中でゴムの木を植えさせられた。後、北京大学中文系に合格、社会科学院で博士号取得の後、アメリカにわたり、スタンフォード大学、シカゴ大学で教鞭をとり、文革の実態調査と歴史研究を続ける
小林一美[コバヤシカズミ]
1937年長野県に生まれる。東京教育大学文学部史学科卒業、同大学文学研究科博士課程中退。大学では、一般教養「世界史教師」。専門は中国史専攻。名城大学、神奈川大学の教師を経て、神奈川大学名誉教授
佐々木惠子[ササキケイコ]
横浜市出身、神奈川大学中国言語文化専攻大学院・前期修了。家庭の主婦。長く母校の事務の手伝いをしながら、中国の文化社会歴史に大きな関心をもち、中国関係の映画や書物に親しんできた
劉燕子[リュウイェンツ]
作家、現代中国文学者。北京に生まれる。大学で教鞭を執りつつ日中バイリンガルで著述・翻訳
麻生晴一郎[アソウセイイチロウ]
1966年福岡県生まれ。東京大学国文科在学中、中国ハルビンにおいて行商人用の格安宿でアルバイト生活を体験、農村出身の出稼ぎ労働者との交流を深める。現在は日本語と中国語の媒体で中国社会や日中市民交流について執筆。2013年に『中国の草の根を探して』で「第1回潮アジア・太平洋ノンフィクション賞」を受賞。また中国内陸部から草の根の市民活動家を招く「日中市民交流対話プロジェクト」、都内団地での異文化交流サロン「アジア図書館カフェ」を運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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