内容説明
当初、多くの化学物質は、人類の生活を豊かにする面が強調され、消毒薬や殺虫剤などの原料として広く使われてきた。それらは一方で、化学兵器の生産や環境破壊を引き起こした。だが、二〇世紀末に突如として出現した内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)は、人類の将来を破壊する“時限爆弾”になってしまった。近代化学の歴史と失敗の教訓から、人類が生存するための方途を展望する。
目次
序章 毒にも薬にもなる化学物質
第1章 ヒ素―猛毒中の猛毒物質
第2章 窒素―火薬・肥料の原料として出発
第3章 塩素―もっとも身近な化学物質
第4章 青酸―「生命の起源」にもかかわる猛毒物質
第5章 リン―三大「神経ガス」の原料
第6章 水銀―回収・再利用が行われている危険物質
第7章 PCB・ダイオキシン・フロン―地球と人類に敵対する最悪の化学物質
第8章 環境ホルモン―二一世紀の科学革命と内分泌攪乱化学物質との闘い