著者等紹介
儀府成一[ギフセイイチ]
1909年岩手県生まれ。10代より詩を書き、昭和7年から宮澤賢治と親交をもつ。その後、出版社勤務のかたわら小説・童話を発表。別名・母木光、月丘きみ夫
市瀬淑子[イチノセヨシコ]
1949年東京生まれ。コーコラン美術学校(アメリカ)にて油絵・デザイン、武蔵野美術短期大学にて油絵、大塚テキスタイルにて織物を学ぶ。書を高野玉兎、浅井素堂に師事、墨絵を飯田満佐子に師事。1986年より日本、スウェーデン、フィンランドにて墨を中心とした作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新田新一
7
作者のことは知りませんでした。本に書いてある紹介によると宮沢賢治の友人だったそうです。3編の童話が収録されています。冒頭の序で、通俗的な童話は書きたくないと述べられている通り、作者の志の高さを感じる物語ばかりでした。表題作の「リルラの手袋」が好みです。少年はお姉さんからもらった手袋を失くしてしまいます。それは心のこもったお姉さんからの贈り物でした。少年と友達の友情が心に響きます。リルラは目に見える贈り物だけではなく、目に見えない、大切な贈り物も、この世にあることを知りました。2023/08/27