内容説明
作者ジェイムス・クリュスの分身ででもありましょうか、北海の孤島ヘルゴラント島出身の若い作家は、長い月日をかけて伝説の「風のうしろの幸せの島」を捜す旅をつづけています。その途中で帆布工房のハウケ・ジーヴァース親方と出会い、きっちり一週間、ロブスター岩礁の燈台をめぐる物語を聞きました。その物語をまとめたのがこの本です。物語の中にはお話をするのも聞くのも大好きな人々がたくさん登場します。南の海のポルターガイストの話、魔法使いヒンツ・ローゼンホルツの話、人形のアグラヤの話、ネズミのテレーゼの話、愉快で楽しいパッパマッナカスカ島の話、星の狩人の話など、登場人物たちは幸せのイメージに満ち溢れたお話を次々語ってくれます。幸せを掴むためには、少なくとも幸せのイメージを持たなければならない。そう考えつづけるクリュスがヘルゴラント島に吹きつける海風にもらった14の物語。
著者等紹介
クリュス,ジェイムス[クリュス,ジェイムス][Kr¨uss,James]
1926‐1997。第二次世界大戦の敗戦国ドイツの荒廃した大地を前に、クリュスは若者たちを戦場に駆り立てる不幸を繰り返してはならないと痛感した。そのためには、子どもたちに自分の頭で考えることを教え、寛容と共生の精神を育む必要があると判断し、児童文学の世界に跳び込んだ。1950年ケストナーに才能を見出され『動物会議』のラジオドラマ化に成功。ラジオ、テレビ等で活躍する一方、1956年にデビュー作である本書『ロブスター岩礁の燈台』を発表、世代を越えて支持を受ける。以後毎年新作を発表し続け、1960年ドイツ児童文学賞、1962年国際アンゼルセン優良賞、1964年ドイツ児童文学絵本賞、1968年にそれ以前の全作品に対して国際アンデルセン大賞が与えられた
森川弘子[モリカワヒロコ]
徳島県生まれ。広島大学文学部(独語独文学専攻)卒業。1974年東洋工業(現マツダ)株式会社に入社、1985年までドイツ語の翻訳に従事。1981~82年ミュンヘン大学に留学、神話学・ホフマネスクを学ぶ。1990年より人形劇ペポのメンバー、また宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員
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感想・レビュー
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seacalf
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