内容説明
年収300万円の非常勤講師たちが早稲田大学・鎌田薫総長らを怒りの刑事告訴!「非常勤講師5年で無期転換」阻止のため偽装選挙、コスト削減で授業を外部委託し偽装請負―労働法のプロが高度な知識を持つプロ(非常勤講師ら)に対して行った前代未聞の出来事。今、早稲田大学で何が起こっているのか?明らかになる“大学内身分制度”の構造。
目次
第1章 偽装選挙
第2章 貧困化する非常勤講師と学生
第3章 反撃開始
第4章 偽装請負
第5章 黒い巨塔 大阪大学
第6章 ブラック国家化する日本
著者等紹介
林克明[ハヤシマサアキ]
1960年長野市生まれ。業界誌記者、週刊誌記者を経てフリージャーナリストに。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で小学館ノンフィクション大賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生~チェチェン戦争とメディア』で週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。近年は、雇用・労働問題などを取材している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おだまん
6
昨今話題の大学の暴露本。これが本当だったらひどいなぁ、一大学の労働問題の話と思いきや、日本オワコンの予兆だった!話題の件もさもありなん、なのかも。暗澹たる気持ちになってしまいました。2014/04/13
弥太郎岩崎。
2
社風校風を良く知るために読みました。年間講義数5つで年収1000万を超える正規の専任教員と非常勤の格差の広さ、人件費を3割浮かすための下請け会社の常務理事は全て大学側の教員という特殊な在り方。下請け会社は労組へのコンサルを事業にしているし、階層型のおかしな体質、厚労省の雇い止め対策に手を打った在職年限の設定など、時代錯誤な所なんだなと思う。少しでも触れた人は早く脱出できると良いね。2018/03/10
田中峰和
2
非常勤講師の雇用条件として、「雇用契約期間の上限を通算5年とする」のは、各大学でも主流と成りつつあるらしい。早稲田をタイトルに入れているが他大学と大差ない。早稲田が槍玉に挙げられたのは、非常勤講師への告知が本人の目に届かぬように、敢えて時期をずらした姑息なやり口。それと私学の雄としてのネームバリューだろう。大阪大学と神戸大学でも事情は変わらない。グローバル化の掛け声で語学講師の数は増やしたが、真のグローバル実現のためには、ネイチャーの講師に全て置き換えられるだろう。先の読めない高学歴者の自己責任もあろう。2014/11/09
パンプキン
2
いつか出るべくして出た本、なのでしょうか。自身、大学業界の片隅におりますが、大変そうだなあと常々思っておりました。果たしてこの先、早稲田はどこへ向かうのでしょうか。2014/02/10
あめ
0
途中から論調に懐疑的になってしまった。この分野は分からないことが多い。2016/05/02