内容説明
刑死した安田優、反乱へと向かう精神の軌跡。左翼運動体験者の兄・薫は、弟への鎮魂の意をこめて、中国で見た「敗戦の現場」を書き残した。
目次
第1部 安田薫遺稿―弟善三郎宛書簡(一九九八・三・一八~一〇・二二)(歴史的資料編纂への感謝(三月一八日)
二・二六事件の背景に関する推測(四月一日)
安田優処刑前夜、通夜、デスマスクのことなど(四月四日)
亡き妻・弟たち、去来する天草への想い(四月九日)
満鉄調査部での仕事(四月一三日)
一九四五年八月一五日前後 その1(五月一〇日)
一九四五年八月一五日前後 その2(五月一〇日)
無条件降伏直後の華北の情勢―重圧から解放されてもつづく緊張(五月二五日)
国共合作破綻下、敗残日本軍と日本人社会(五月二五日)
死中に活を求めて逃避行、そして帰国へ(五月二五日)
日中戦争開戦前後の事情(一〇月三日)
死刑について、人間の死について(一〇月三日)
平成日本は歴史から学べるだろうか(一〇月二二日))
第2部 安田優資料(遺稿;調書等;評伝)