内容説明
まさか、自分がこうなるとは…リストラ、倒産、リーマンショック、デフレ経済…ますます深刻化する不況下、人々はどこに向かうのか?未曾有の大不況、底辺の現場をレポートする。
目次
第1章 クビを切られて(リストラまたリストラ(55歳・元大手電機メーカー管理職)
100円ネットカフェで迎える元旦(53歳・元トラックドライバー) ほか)
第2章 廃業の果て(廃棄弁当が晩ご飯(46歳・元仕出し弁当屋経営)
夢を見たのが馬鹿だった(54歳・元ペンション経営者) ほか)
第3章 借金地獄(ローン破綻で人生破綻(40歳・元精密機器メーカー社員)
独立・起業の甘い罠(46歳・元中堅リース会社社員) ほか)
第4章 ヤングホームレスの素顔(タイムマシンがあったなら(33歳・プロミュージシャン志望)
田舎を出てみたけれど…(34歳・元ホテルマン) ほか)
著者等紹介
増田明利[マスダアキトシ]
昭和36年生まれ。昭和55年都立中野工業高校卒。ルポライターとして取材活動を続けながら、現在は不動産管理会社に勤務。平成15年よりホームレス支援者、NPO関係者との交流を持ち、長引く不況の現実や深刻な格差社会の現状を知り、声なき彼らの代弁者たらんと今回の取材を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
48
ちょっとしたきっかけで、誰がなっても不思議ではない。大手メーカーで管理職をしていたのにリストラで子会社へそこでも数年でリストラ。会社経営者をしていたが倒産。トラック運転手だったが目を悪くして失業。自営業で儲けていたのに近くに激安店ができ閉店。床屋も1000円カットに食われる。工場が海外移転で退職。マイホームのローンが払えなくなり家を失う。家族離散。働く意思はあるが、中高年の募集がない。生活保護を受けようとしても住所がない。2017/07/13
つちのこ
31
平成大不況篇と銘打った本書が出版された2010年の全国のホームレスの数は13000人。2021年の調査では4000人となっている。数の上では大幅に減少しているが、これはあくまで特定の拠点に定住している数であって、毎日のようにねぐらを替えて流動する人の数まで捉えていない。駅や公園から追い出され、ビルの隙間でさえ寝ることができなくなった人々はどこにいるのだろうか。この本でヒントとなりえたのが、深夜営業の店であったり、ネットカフェである。統計にも表れない不可視化したホームレスへの介入と支援が、令和の課題である。2023/06/22
ごへいもち
31
どこがいけなかったのか、見通しが甘かったのか。儲けたい一心の銀行の甘言に釣られてしまったのか。しっかりアドバイスしてくれる尊敬できる人がいなかったのか。いざという時に頼みとなる後ろ盾や親戚がなかったのが不運だったのか。経歴を話しながら「あそこで踏ん張れば良かった」と気づく人もいるだろうなぁ2016/06/05
おりん
28
ホームレスについて知りたかったので読む。何人かのホームレスの人にインタビューする形式の本。リーマンショック後に書かれた本で、その煽りを受けた人の話が多い。リーマンショックから10年経ったわけだが、この本のような人たちは脱出できたのだろうか。あと、ネカフェを利用する人が結構いるのが印象的だった。また、リーマンは会社が倒産すると簡単にホームレスになり得ることも実感した。つまるところ、不運が重なれば誰でもホームレスになり得るということだ。2018/12/02
たぬきごんべい
28
そこそこの大学を出て名の通った会社へ勤めても、社長となって人を雇っても床屋さんやタクシーをやっていても、歯車が狂ってしまうとトコトコん落ちてしまいそこから這い上がれない。仕事への情熱を失った方へ是非ともお勧めの一冊です。★4.02016/08/22