内容説明
中国大陸出身で、国民党幹部であった雷震。しかし、リベラルな政論雑誌『自由中国』誌の責任者としての言動が〓介石の忌諱に触れ、一九六〇年から一〇年間を獄中で過ごす。雷震とその同志たちが生涯をかけて自由と民主憲政を追求した姿は、七〇年代以後の台湾民主化運動の重要な思想的資源となり、後続世代の政治運動家たちに継承されていく。20世紀、中国・台湾の激動の時代を生きぬいた雷震の生涯を膨大な史資料から克明に描き出した労作。
目次
第一章 成長と家庭生活(成長と、年少の頃の学習の経歴;日本留学;結婚と家庭生活)
第二章 中国大陸時期における政治生活(第二次世界大戦終結以前の政治経験;政治協商会議;制憲国民大会;国民政府の改組と憲政の施行;一九四九年の変局下における選択)
第三章 『自由中国』時期(「擁〓反共」の時期;衝突の増加;国民党当局による抑圧;「祝寿専号」事件;「今日的問題」シリーズ;出版法の改正と「軍人と狗」事件;総統三選への反対;政党結成運動による受難)
第四章 『自由中国』時期以降(雷震事件の勃発と当局による処理;判決前後における救援活動;『自由中国』の命運と獄中での歳月;国家アイデンティティの推進と憲政構想;民主化運動の継承と発展)
結論に代えて 雷震と民主憲政の追求
著者等紹介
薛化元[セツカゲン]
1959年、台湾彰化県に生まれる。国立台湾大学歴史学研究所で博士号を取得。国立政治大学台湾史研究所教授。また、二二八事件紀念基金会董事長も務める。専門は中華民国憲政史、台湾史、中国近代思想史。台湾における雷震研究の第一人者である
深串徹[フカクシトオル]
1982年、埼玉県に生まれる。青山学院大学大学院国際政治学研究科で博士号を取得。島根県立大学国際関係学部准教授。専門は台湾史、東アジア国際関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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