川のほとりに

川のほとりに

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  • サイズ A5判/ページ数 125p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784879954329
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C1092

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

misui

9
「死ぬのもなかなかいいものだよ/とお誘いがある」(「お誘い」) 西脇順三郎に捧げる詩から始まる本書では、老年に達した詩人が来るべき死を見据えた境地が描かれる。死を見据えるといってもあくまでも軽やかに、幽明の境があいまいになると言ったほうが正しいか。この世を泰然と眺め、過去を慈しむ眼には余裕さえ感じる。幻想譚として読める3篇の散文詩(というか短篇小説)も円熟が感じられて素晴らしい。2014/04/17

よっし~

7
「うつせみがうつせみを脱ぐように/あの人はかの岸に影を脱ぎすて/ほんとうにけむりよりかるくなってしまった」(「蝶のかたち」)。女性初のアカデミーフランセーズ会員、マルグリット・ユルスナール。『ハドリアヌス帝の回想』をはじめとした作品を訳した稀代の翻訳者にして詩人・多田智満子の詩集である。書店で手にした『龍彦親王航海記』掲載の追悼詩が気になり、手にとった。浩瀚な教養をベースに硬質なイメージを自在に操り幽冥の境に遊ぶ言葉の彷徨が見事である。来月は、多田智満子の世界にどっぷりと浸かることにしよう。2020/01/31

いやしの本棚

2
死者の国と生者の国をわかつ川のほとり、詩人の魂は時空をかるがると超えていく。多田智満子の言葉には軽みがあって、たとえば塚本邦雄や皆川博子にあるような絶望や悲痛は感じられないが、読者が自分の立っている場所を見失ってしまうような幻視が詩に昇華されていて、好きだなと思う。2015/05/31

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