内容説明
故美術品密売の裏付け捜査で冬の京都を訪れた赤かぶ検事は、奇怪な殺人現場に出くわした。事件の参考人である彫刻家が、背をナイフで深深と刺され絶命していたのだ。折りからの積雪に洛北の山里は雪に閉ざされた密室状態。死亡推定時刻から考えて、犯人が野中の一軒家から足跡を残さず逃亡するのは不可能だ。しかも現場となったアトリエの天井には、謎の人血痕が…。密室殺人のトリックを解いた赤かぶ検事が見たのは、復讐劇の悲しい結末だった。書下し表題作の他、2編を収録。赤かぶ検事の推理がさえる、シリーズ第26弾。