出版社内容情報
このことは、あたしたちだけの秘密よ――
内容説明
成長過程で顔の皮膚が硬くなり、はがれ落ちると美しくなるという女系の家に生まれた少女が体験する変化に、心ざわめく「カワラケ」。きらきら光るものを拾ったことで、世界を救うヒロインに選ばれたと確信した少女たちとシビアな世界の対峙を描く表題作など、不思議に満ちた5話。変化していく身体、家族や友人関係―少女たちの現実は、ままならない。豊かな感性が捉えた驚きや理不尽さを鮮やかに描く、注目の短編集。
著者等紹介
朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年北海道生まれ。北海道武蔵女子短期大学卒業後、さまざまな職を経験。2003年「コマドリさんのこと」で第37回北海道新聞文学賞、04年「肝、焼ける」で第72回小説現代新人賞、09年『田村はまだか』で第30回吉川英治文学新人賞、19年『平場の月』で第32回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
111
『十円玉にのせていた指がちいさくふるえた…十円玉が動いた』…と『こっくりさん』の場面が描かれる〈留守番〉など5つの短編が収録されたこの作品。そこには『奇譚』という言葉が絶妙に言い表す”少女×ふしぎ”な物語が描かれていました。〈解説〉の瀧井さんがおっしゃる”その不思議の世界は実在するものかもしれないし彼女たちの豊かな想像力が作り出したものかもしれない”という摩訶不思議な世界が描かれていくこの作品。少女たちのたくましさを感じもするこの作品。どこまでも健気に生きる少女たちの姿が印象に残る不思議感漂う作品でした。2026/05/09
re;
22
女の子は魔法を使える。のかどうかは分からないが、女になると失われるものは確かにあるだろう。短絡的に物申せば処女性と言われるもの。そしてそれは恐らく男性にはない可能性がある。その不思議さを象徴的な物語にしたら、きっと本作になる。男性諸氏に処女性ってなに?って言われたらそっと、この本を差し出してみようと思う。きっと『よくわからなかった』って言われるだろうな。そして私は、そうよ。そういうもんなのよ。と答えるだろう。少年性は多分死ぬまで持っていられる。でも処女性はいつか必ず失ってしまうのだ。性的な話ではなく。2024/03/01
真夢
14
いつもの朝倉作品、という感じで残念ながら真新しさはないけども、大人と子供の間みたいな齢の女子たちが感じる、複雑さや気持ち悪さがリアルに現れていて面白い。2024/12/07
あんこ
12
女になる前の「少女」達の話。「あたしたちは無敵」に描かれているように、あの無敵さはほんの一瞬の眩い光。ある種救いのない、ホラーのような幻想世界を見せられていたように思えたけど、少女から女になる時の何とも形容しがたいモヤモヤが破壊されていくようにも思えた。どの話の女の子も魅力的で特別だった。きっと彼女達はわたし達読者が読み終わった後の世界で、日常に溶け込んでいくのだろうなと感じて少し寂しくなった。2019/12/13
YH
7
留守番のラストの恐ろしさとイーナちゃんの父親の不快感。ファンタジーな要素を交えているから余計に怖い。どの話が好きかと言われたらうーんと悩みそう。後味が悪いというか何というか…2021/04/14




