出版社内容情報
戦争、内乱、テロ、大規模自然災害などの「いざという時」に、国民の生命を守るために一時的に憲法を停止できるのが緊急事態条項だ。安倍首相は憲法9条の改正のハードルが高いと見て、緊急事態条項の「加憲」からはじめようとしている。しかし、憲法に緊急事態条項は、本当に必要なのか。緊急事態が発令された場合、食料、集会・デモ、ネット、学校、国会、裁判所など、市民の暮らしや社会はどうなるか。諸外国の法制・事例も紹介し、緊急事態条項の正確な理解を助ける。
【執筆者】飯島滋明、池田賢太、石川裕一郎、奥田喜道、小田博志、榎澤幸広、川眞田嘉壽子、清末愛砂、佐伯奈津子、清水雅彦、?良沙哉、徃住嘉文、永井幸寿、馬場里美、前田朗、松原幸恵、松村芳明、安原陽平、吉田達矢、李京柱、渡邊弘
第1部 緊急事態条項とは何か
自民党「日本国憲法改正草案」と緊急事態条項
日本国憲法と緊急事態条項
緊急事態条項と大日本帝国憲法/第9条(平和主義)/第24条(家族)/安保法制(戦争法)国会/災害
第2部 緊急事態条項で暮らし・社会はどうなるか
生活必需品/地震・天気予報/小学校・中学校・高等学校/大学/マスメディア/集会・デモ・労働組合活動/共謀罪/政党/ネット/医療関係者/運輸・土木・建築関連業者、従業員(徴用)/自治体/警察・自衛隊/裁判所/選挙権(参政権)/マイノリティ/沖縄/国民国家
第3部 世界の緊急事態条項
イギリス/アメリカ/ドイツ/フランス/韓国/トルコ/パキスタン/インドネシア/緊急事態条項と国連・地域人権機構
第4部 資料・緊急事態条項
日本国憲法改正草案(自由民主党・2012年4月27日)
大日本帝国憲法下の緊急事態法制関連条文
緊急事態条項(国家緊急権)に関する各国の規定(抜粋)
緊急事態条項に関するマスメディアの見解
緊急事態条項に関する各政党の立場
清末 愛砂[キヨスエ アイサ]
清末愛砂(きよすえ・あいさ)室蘭工業大学大学院工学研究科准教授
飯島 滋明[イイジマ シゲアキ]
飯島滋明(いいじま・しげあき)名古屋学院大学経済学部教授
石川 裕一郎[イシカワ ユウイチロウ]
石川裕一郎(いしかわ・ゆういちろう)聖学院大学政治経済学部教授
榎澤 幸広[エノサワ ユキヒロ]
榎澤幸広(えのさわ・ゆきひろ)名古屋学院大学現代社会学部准教授
内容説明
安倍首相は憲法9条の改正のハードルが高いと見て、緊急事態条項の「加憲」からはじめようとしている。憲法に緊急事態条項は、本当に必要か。
目次
イントロダクション 「緊急事態条項」(国家緊急権)とは何か
第1部 緊急事態条項とは何か(自民党「日本国憲法改正草案」と緊急事態条項 緊急事態に内閣が政令でいろいろな措置をとることができてしまう;日本国憲法と緊急事態条項 日本国憲法に「緊急事態条項」がない理由 ほか)
第2部 緊急事態条項で暮らし・社会はどうなるか(緊急事態条項と生活必需品 戦争で食糧不足になったら国は助けてくれるの?;緊急事態条項と地震・天気予報 緊急事態が複数生じたら何が優先される?被災地対策、それとも… ほか)
第3部 世界の緊急事態条項(イギリスの緊急事態対応;アメリカの緊急事態対応 ほか)
第4部 資料/緊急事態条項(日本国憲法改正草案(自由民主党・2012年4月27日)
大日本帝国憲法下の緊急事態法制関連条文 ほか)
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