出版社内容情報
家裁判事を主人公とした漫画『家栽の人』の原作者が、篤志面接委員として初めて飛び込んだ少年院という世界。少年や少年の心に寄り添う人たちとの対話から見えてきたものを、エッセイ、インタビュー、小説で収めた。
第1部 育ち直しの歌「少年よ ウクレレを抱け!」
1 それはブルースの話で始まった
2 「可愛い」と思わずにいられない
3 法務教官という複雑な仕事
4 おこってごめんね
5 東北少年院の出院式
6 少年よウクレレを抱け
7 置賜学院での作文指導
8 北海道沼田町の社会復帰施設問題
9 「一ミリ」の働きかけ
10 少年院でCDをつくる
11 ポジティブとネガティブ
12 三原スエと柳原白蓮の熱き想い
13 少年院は天才を育てる場所じゃない
14 「光市母子殺害事件」を考える
第2部 法務教官インタビュー 法務教官という生き方
1 門脇高次さん
法務教官になりたい。そう思ったのは十七歳の時です。
2 和田英隆さん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミチ
3
関わりはない所ではあるがどんな所でどんな人がいるのか気にはなる。少しは関わってみたい触れてみたい興味がある場所である。2021/10/30
いちご
1
筆者が実際に少年の支援をしたことに関するエッセイ、関わる職業に従事している人の話、少年院を舞台にした小説の3部構成。生まれた時からすでに大きな事情を抱えて、全てが悪い方向に向かった結果の行く先であったケースが多い。ここでの規則正しい生活と教官との関わりが、人間的に今までで最も成長できる時間や空間である現実。更生を応援する気持ちの一方で、我が子が入所経験のある子と友達になったら、心からそれを喜び応援する自信は正直ない。 想像以上に綺麗事では済まない世界だと実感した。消化不良レベルで多くの気づきがあった。2024/09/01