感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
20
グリコ・森永事件が起きた当時、私は中学に上がる前後で、父の転勤に伴い福岡から神戸に移る前後でもあった。現金の受け渡し現場で二度目撃されているキツネ目の男の似顔絵は、今でもよく覚えていた。この事件は本書で指摘されているように1984〜85年当時の時代性と、事件の舞台となった大阪・京都という土地の特性を通して日本社会の有り様とを炙り出す重要な事件だったと思う。本書の著者の一人である宮崎学は、キツネ目の男に似ているだけでなく、彼の出身地や活動地域、属する社会的階層が、犯人像と重なる。2022/08/14
チェアー
3
事件の事実関係は簡潔に済ませて、質疑を重視している。 新たなことは何も出ていないが、特に宮崎はヤクザとニセ同和が関係している、と持論をぶつ。 なぜ子どもでなく江崎社長を誘拐したのかというのは重要な論点だ。なぜ自宅に押し入ってまで、社長の身柄を取りたかったのか。なにか本人に伝えるべきことがあったと考えるのが自然だろう。大谷さんもその見方を示している。 2024/01/28
雪空
3
事件の時効を迎えて、重要参考人とされた人物と記者の対談。疑惑をぶつけたり、それぞれの事件に対する見解など。私自身の関心や年代、土地柄なども関係あると思うんだけど、企業と裏社会というのがどうつながるのかさっぱりわからなかったので、とても興味深く読みました。なるほど〜。記者側は『闇に消えた怪人』とはまた違った見方があったし、裏社会側がどう見ているのかは新鮮でまた面白かった。2017/01/26
ほっそ
1
今度カズレーザーが話していた本を読むために、下調べ。2018/01/09
kita
0
一時期本当に疑われた宮崎学とともに、事件を振り返り犯人像に迫る。その過程は読んでいて面白いが、宮崎を犯人と仮定した上での最後の大谷昭宏の言葉は予定調和というか…。