内容説明
プラトン、アリストテレスだけがギリシア哲学ではなかった!ヘレニズム哲学再評価の契機となった世界的名著。
目次
第1章 緒論
第2章 エピクロスとエピクロス哲学
第3章 懐疑主義
第4章 ストア哲学
第5章 ヘレニズム哲学のその後の発展
第6章 ヘレニズム哲学と古典の伝統
著者等紹介
ロング,A.A.[ロング,A.A.][Long,Anthony A.]
米国カリフォルニア大学バークレー校西洋古典学教授。1937年英国マンチェスター生まれ。1960年ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン卒業(西洋古典学および古代哲学)。1964年同大学博士号取得。ニュージーランド、オタゴ大学、英国、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、リバプール大学での教歴を経て、1983年より現職
金山弥平[カナヤマヤスヒラ]
名古屋大学大学院文学研究科教授。1955年島根県生まれ。1986年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員、京都大学文学部助手、名古屋大学助教授を経て、2000年より現職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanaoka 57
7
ギリシャ諸都市の衰退とオリュンポスの神々の衰退、東方宗教の浸透の中、ストア派、懐疑派、エピクロス派をはじめとするヘレニズム哲学が興隆する。ヘレニズム・ローマ文化に生きる市民達には大きな自由があり、多様な価値観、世界観が数百年にわたって溢れていた。しかし、終末思想を伴うキリスト教、グノーシス思想、新プラトン主義の台頭により、ヘレニズム哲学は衰退。現実の自然を土台とした、感情、感覚、経験、認識、物質、そして理性に重きを置く思想から、観念の世界へ移行する。社会が変れば生き方も変わり、思考形態も変わる。 2016/08/05
ヴィクトリー
7
エピクロス派、懐疑派、ストア派について扱っているが、分量が多いのはストア派で全頁の約半分を占める。ストア派は、自然の隅々に行き渡るロゴスの支配、と言う考えもあって、キリスト教との親和性も高く、後世への影響も大きいようで、読んでいてもどこかで聞いたことのあるような説がよくある。懐疑派は、感覚的認識、または思惟の対象にも、確実なものは何も無いとして、判断を保留することで心の平静が得られる、と説く。これだけだとなにやら無意味な話のような気もするけれども、認識論や、哲学の土台を問い直す重要なものらしい。2014/03/23
しゅう
4
キュピロス派、エピクロス派、ストア派のヘレニズム哲学をかなり詳しく学べる一冊。半分以上はストア派が占めている。論理学、自然学、倫理学を理解するのが難しい。 動物、植物、人、それぞれの自然に従っていきる事。 人と動物の違いは理性があること。 人が自然に従って生きる事は理性に従って生きる事である2021/08/19
ポルターガイスト
2
入門書のはずだがだいぶ時間かかった。ソクラテス以前の哲学者が自然哲学だけでなく人倫についてもよく考えていたようにストア派もエピクロス派も倫理学のイメージしかなかったけど独自の自然観がちゃんとあるんだなというのがいちばんの発見でした。2018/03/11
暁
0
ストア派マスターになれる。かもしれない