内容説明
帝政初期のローマで活躍した修辞学徒が、言語表現の窮極の美を追求した労作、本邦初訳。『文体論』を併録。
目次
ディオニュシオス 修辞学論集(古代弁論家―序;リュシアス論;イソクラテス論;イサイオス論;デモステネス論;文章構成法)
デメトリオス 文体論
著者等紹介
木曽明子[キソアキコ]
大阪大学名誉教授。1936年満州生まれ。1967年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。大阪大学、北見工業大学教授を経て2002年退職
戸高和弘[トダカカズヒロ]
大阪大学非常勤講師。1960年福岡県生まれ。1991年大阪大学大学院文学研究科博士課程退学を経て現在に至る
渡辺浩司[ワタナベコウジ]
大阪大学助手。1962年東京都生まれ。1998年大阪大学大学院文学研究科修了。大阪歯科大学非常勤講師、大阪市立大学非常勤講師を経て現在に至る
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感想・レビュー
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roughfractus02
8
共和政ローマの衰退と共に弁論家が減少すると民衆の前で演説する弁論術は文字の配置や文彩に関する修辞学に変わる。その過渡期に生きたティオニュシオスは優れた古典文体を模倣して哲学的態度を実践的に身につける教育的なレトリカ(弁論術/修辞学)の用法を主張する。華美なアジア的文体を排するという彼のアッティカ主義は民主的な古代ギリシアへの復古を見据える。韻文と散文の間の中間的な音楽性に優美さを見出すデメトリオスも、帝政的なアジア主義の華美な文体に対峙する。本書では両者ともにプラトンの文体の素朴さや優美さを賛美している。2022/07/29
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