目次
中之島‐西天満‐北浜―近代建築がひしめく大阪のヘソ。
船場―時代を継承する名建築の影に増築あり。
梅田―いつの時代も開発最前線。
大正―まるで独立国のような湾岸エリア。
心斎橋‐難波―繁華街の建築は表情豊か。
天王寺―癖のある個性派集う。
著者等紹介
倉方俊輔[クラカタシュンスケ]
建築史家。1971年東京都生まれ。好きな建物は綿業会館。大阪市立大学大学院工学研究科准教授。幕末から戦後にかけての日本の建築を研究
柴崎友香[シバサキトモカ]
文筆家。1973年大阪府生まれ。好きな建物は大丸心斎橋店。2000年のデビュー作『きょうのできごと』が行定勲監督により映画化。07年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞・織田作之助賞大賞、10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、14年『春の庭』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コットン
74
建築を研究されている倉方さんと街好き大阪好きの(そして芥川賞作家でもある)柴崎さんによる大阪建築本。梅田吸気塔:柴崎さんの「ブラックジャックの足の不自由な子が大阪まで歩く話で大阪のゴールがこの吸気塔だった。大阪城でも通天閣でもなく、さすがは手塚治虫だと思いました。」といえば倉方さんは「有機的なデザインと無機的な素材感をシャッフルして、職人の手技で建設させる手法は、まさに村野流。(村野藤吾)」と答える面白さ!!中之島,船場,心斎橋など色々なエリアで御存じの最先端から近代建築までカラーで載っているのも嬉しい。2014/11/23
きむこ
61
北浜から本町のブロックでは、古い魅力的な建物を時々見かけます。『あらここにも♬』とちょっと古びた面白いビルを発見できるのが楽しいのでちょこっとした外出も極力知らない道を歩いたりしています。表紙に惹かれて図書館で手に取った本。解説がわかりやすく、『大阪はオレ流の建築』とかトークも楽しませてもらいながら読めました♡2017/03/06
ねむねむあくび♪
58
読友達コットンさんにお借りした本。きゅんきゅんしました~♪("⌒∇⌒")どこも良かったんだけど、味園ビルは中にも入って写真を載せて欲しかったし、あのビルも彼処の風景もと、地元民の欲が出る!!(≧∇≦)(笑)嬉しいのは特別付録の万博のページ!民俗学博物館の未来感や、セルシーの宇宙ステーションのようなデザインへの言及に、鼻息荒くうなづきながら、怪しい様子の読書となりました(笑)(^w^)久しぶりにみんぱくを訪ねたいなー♪((o(^∇^)o))2015/02/25
かっぱ
35
昨日はこの本をもとに大阪を街歩き。本の中の建築がそのままの形で姿を現すとなんだかうれしくなる。比較的近いエリア(徒歩圏内)に建物が集まっているところも魅力。ゆっくり街歩きをして建物を通して人や街を観察すると、普段とは少し異なった発見があったりして、そこから想像力を膨らませて小説にしているのが柴崎さんなんだと思いました。建築研究家の倉方さんと建築好き小説家の柴崎さんの会話が楽しい。2014/12/07
きいち
27
歩く楽しさが心地よく味わえる。街並みを見る姿勢が、とにかくポジティブなのだ。建築のあるべき姿から足りないところをあげつらうのではなく、外にどう見せたいか、中からどう見てもらいたいか、装飾、空間、構造、建材…とにかく建築への意志を見つけて示してくれる。全く見巧者の二人だ。◇だから扱う対象も、明治の擬洋風からあべのハルカスまで、大建築あり町場の喫茶店あり団地に橋にとこだわりがない。いくら柴崎の地元とはいえ「大正」に一章さかれてるなんて驚きの一言。◇地図や写真も丁寧で、他の街へもシリーズ展開してもらいたいなあ。2015/01/09