内容説明
予言獣を再定義し、十二系統に分類。それぞれ名称・別名・収載資料名・所蔵機関・資料形態・予言獣出現日・図版・翻刻・現代語訳を収録。コラム・論考もあり。本邦初大図鑑。
目次
序章 「予言獣」とは何ものか?―研究史の整理と再定義
第1部 予言獣資料図鑑(「神社姫・姫魚」系―巨体に輝く宝珠と剣 海より来たる最古の予言獣;「件(クダン)」系―仍って件の如し 人面牛身の短命予言獣
「くたべ」系―地獄と浄土が併存する 霊峰に現れた黒い体の人面獣 ほか)
第2部 予言獣論(件(クダン)の予言
予言から疫病退散へ―刊行物・報道から見るアマビエの属性の変質と定着
「予言獣の探し方」メモランダム―記者のデジタル利活用の事例から
繰り返す人魚の流行)
著者等紹介
長野栄俊[ナガノエイシュン]
福井県文書館職員(福井県立図書館司書を兼務)
岩間理紀[イワマリキ]
毎日新聞記者。2013年に入社し、高知、福井、福島の各支局や東京科学環境部に所属。米国のビキニ水爆実験を巡る被ばく者問題や、東京電力福島第一原発の廃炉などを取材する一方で、妖怪の記事を執筆
笹方政紀[ササカタマサキ]
東アジア恠異学会会員
峰守ひろかず[ミネモリヒロカズ]
小説家。2008年に『ほうかご百物語』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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大臣ぐサン
2
このような本の出現を待っていた。思えばコロナ禍、予言についても触れられずありもしない伝承まで付加されて守り神に祭り上げられたアマビエに対して憤りを感じていたものの、研究者でもない私は歯噛みしながら眺めるしかできなかった。 予言獣というある程度研究が進んでいた存在でありながらも、その研究結果も顧みられることもなくアマビエは変質を遂げていった。大衆の前での学術の無力さをまざまざと見せつけられたようだった。 そんな無力感に打ちひしがれたコロナ禍に、同じような思いを抱いていた人たちがいたということだけで嬉しい。 2024/10/23
夕凪
2
かわら版から転写していく素人の描いた予言獣、味がある絵柄で引き込まれる2024/02/27
Ta283
1
よく、これだけ集めたと思う2024/08/03
るう
1
まだサラッと流し見る程度しか読めていないが、予言獣だけでこれだけの史料を掻き集めてきたのは凄い。それも史料が手に入ったものは図説付きで……!!研究資料としても図鑑としても盛りだくさんでとても有難い。暇を見つけて読み込んだり、辞書的に引いたりと楽しみたい。編者の皆さん、お疲れさまでした。ありがとうございます。2024/06/30
千代
1
ゆるい。だがそれがいい。ただ、思っていたのとはちょっと違っていた。貴重な図版と翻刻、現代語訳で紹介されている。気になったのは『阿磨比古』絵は言うまでもなく可愛い。翻刻: 阿磨比古、現代語訳: 阿磨比古(あまびこ)だけってところもツボ。まぁ参考扱いだし。2024/02/24