感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あや
21
上川涼子さんの第一歌集。2025年8月刊。上川さんは1988年生まれの福岡県福岡市のご出身。水をモチーフにした作品の多い、透明な抒情と自由を希求する静かな詩情が透徹された1冊となっているのではないでしょうか。好きな歌が多過ぎてここには引用し切れない。続きが読みたくなる歌人の方です。 ゆるやかに氷は水へ還りつつ駅舎を透過する翳り見す/いつしかに空の高みへ架かりたる月の静止に時ながれをり/ひとすぎにのびるなみだの清浄が水鳥の脚に満ちて立たしむ/水晶体を通るいづれの景物もひかりに過ぎず ひかりも あなたも2025/10/29
rinakko
4
〈月、そしてそこから冷えてゆく音叉 ひかりにみちて鳴ることもなし〉〈心臓をひとつ点して現し身は白夜、ひとよを燃え尽くるまで〉〈冷えびえと床にビー玉散りみだれ乱り尾をひく孔雀見ゆ、見る〉〈死ののちへ続く渇きか紫陽花に羊皮紙の質感をみとめつ〉〈カルヴィーノ読まばや夏の浜に似たカルビーのポテトチップス溢して〉〈わが閉ざすのち一冊の小説は少し膨らむ息づくごとく〉〈たひらぎてはなびらを待つ水の時その時を揉み魚ら泳ぐも〉〈雨は傘を脈打ちながらしたたりてこころに至る不可思議のこと〉〈音楽にとりのこされた2026/01/27
ほんじょう
1
美しい、繊細、詩的、細やか、そんな作品群だった。 本当は、先週末の「未来」の新年会の前に読み終えたかったのだけど(午前の部で会員によるレビューの時間があったから)、30ページくらい間に合わなかった。 「じっくり読みたい」と「読み終わってからレビュー聞きたい」がせめぎ合った結果、前者がギリ勝った。2026/01/27




