目次
1 犬懸上杉氏と上杉禅秀の乱
2 禅秀与党の討伐と都鄙和睦
3 正長・永享期室町幕府と鎌倉府の紛擾
4 永享の乱考
5 足利持氏の発給文書
6 足利持氏期の関東管領と守護
7 持氏期の奉行人
8 持氏期の上杉氏
9 足利持氏の妻と子女
著者等紹介
黒田基樹[クロダモトキ]
1965年生まれ。早稲田大学教育学部卒。駒沢大学大学院博士後期課程満期退学。博士(日本史学、駒沢大学)。現在、駿河台大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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組織液
15
犬懸上杉氏の勢力伸長は改めてすごい。上杉禅秀の乱が決して進退窮まった者が起こした一か八かの賭けなんてものではないことがよくわかりました。あと京都側は本当に持氏を脅威に思っていたことがその風聞から察せられますね。都鄙関係を持氏と義教個人の気性の粗さや野心で語ることはやはり無理だなと。2024/01/11
翠埜もぐら
14
足利持氏と持氏を取り巻く関東の豪族、室町幕府との距離、上杉禅秀の乱など関東の騒乱の始まりともいえる、「やっちゃった」持氏さんのお話。興味深かったのは同じ関東の武家でも鎌倉公方ではなく、直接京の幕府とつながる家があること。一族の総意ではなく一族内の継承者争いの果てに、味方に付いてくれる方に分裂していて、さほど大きな家でもないのにどんどん細分化していってる。持氏が関東で自己の権力を強化するために敵対勢力を排除しようとすると、幕府側の家と対立することになるわけで、室町と鎌倉の並立する権力構成の結果なのだろうか。2025/04/29
さとまる
9
上杉禅秀の乱や永享の乱の当事者である第4代鎌倉公方足利持氏に関する論集。幕府と鎌倉府の対立は「持氏なら関わってそう」という虚実混淆した人々の風説によって増幅・助長されて社会に浸透したこと、そして南奥羽から常陸北部では篠川公方と稲村公方の対立関係に代置できるとする「正長・永享期室町幕府と鎌倉府の騒擾」が興味深かった。2024/06/12
BIN
5
鎌倉公方4代目足利持氏の時代のこと。鎌倉公方関係ではこの時代が一番激しく、上杉禅秀の乱や持氏による永享の乱などがメインテーマです。永享の乱は特に一次資料が少なく、軍記物によるところが多いのですが、その辺も比較してます。永享の乱は各国で幕府側か鎌倉府側に分かれていたのも面白いところでした。2023/02/03
こまさん
1
細かい!2016/09/09