内容説明
登記しない地権者、ツケを払う次世代。急増する空き家・空き地・所有者不明の土地の実態と処方箋。
目次
第1章 空き家・所有者不明土地の実態(空き家の実態と将来予測;空き地、所有者不明土地の実態と将来予測;所有者不明マンションの実態)
第2章 現状の対策(空き家解体促進策と空家法;空き家の利活用促進策;空き家対策の新たな潮流―「近隣力」の活用;空き家ビジネスの最前線―「負動産」活用ビジネス;空き地、所有者不明土地対策)
第3章 より根本的な対策1―まちづくりとの連動(点としての対応から面としての対応へ;コンパクトシティ政策;エリアマネジメント)
第4章 より根本的な対策2―所有権の放棄ルール(解体費用事前徴収の仕組み;利用権設定の仕組み;所有権放棄ルールの必要性;所有者不明マンション対策)
第5章 価値の残る不動産を持つために(所有者の責任とリスク;空き家の利活用、処分の可能性;今後の住まい選び―取得後の出口があるか)
著者等紹介
米山秀隆[ヨネヤマヒデタカ]
富士通総研経済研究所主席研究員。1986年筑波大学第三学群社会工学類卒業。89年筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了。野村総合研究所、富士総合研究所を経て現職。専門は、住宅・土地政策、日本経済で、特に空き家問題に詳しい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あすなろ
68
地方の土地を調べるために謄本調査をさせたら明治時代の方が所有者登記されている…。こんなことは社会問題化する前から自分の仕事であること。そうした本や記事はなるべく最近読むようにしている。どう今後の政策形成が世論によりされていくかにこのテーマは興味がある。一方、新規ビジネス的見地として、マイホームリース制度に惹かれた。ナルホド。土地・建物躯体即ち比較的堅牢なスケルトン状態をリースストラクチャー組んで人生のライフスタイルに合わせて提供していく。それをエリアマネジメントされたコンパクトシティ構想と結び付けられたら2018/09/17
kei302
53
表面を軽く流しただけの内容で、問題の本質に迫りきっていないし、鋭さがない。建前ときれい事だらけで、知りたいことが出てこなくてがっかり。2022/03/05
Akihiro Nishio
26
良書であった。空き家・空き地問題を概観し、関連法、各地の優れた取り組みなどを紹介する。今更真似ることはできないが千葉県のユーカリが丘のエリアマネージメントには驚いた。何という長期的展望を持った開発であるか。実際的には尾道などの空き家再生プロジェクトが優秀だろう。しかし、死亡届けの時点で土地所有を確認して固定資産税係が詳しい案内をするという京都府精華町の取り組みが一番優秀では?というか、全て自治体でなぜこれをやらない?観光地に住んでいるので近くに古い空き家が多く、取り組みの必要性を感じる。自分は賃貸でいいや2018/08/29
mazda
18
正確に言うと、「捨てたいけど捨てられない土地と家」でしょうか。住まなくなったからと言って、立地が悪いと売ろうにも売れないし、放置すると雑草、火事、浮浪者、など近隣トラブルも起こるので放っておけません。じゃ、解体すればと言っても、解体費用が数100万円かかり、固定資産税が大幅アップじゃ、誰も解体しません。結果、自治体が税金を投入して壊すことになりますが、買う時は個人のものなのに、最終処分を公共がやるのは、どう考えてもおかしくないですか?解体費用を購入時に集めておいて、いざとなったらそれで壊すしかないのでは?2019/12/04
wisewise
2
負の不動産とならないためにどうしたらいいのか? そうなった場合の再活用のためのルールづくりに必要なことは。2021/07/10