内容説明
金正日は、巷間伝えられるような粗暴でプレイボーイ、たんに親の七光りによって金日成から権力を引き継いだのだろうか。はたして軍部をコントロールできているのか、北朝鮮国家は崩壊する危機にあるのか。亡命した元労働党幹部のこれまでにない重要な証言を中心に、後継者としてきわめて思慮深い、周到に権力を掌握していった金正日の実像を明かし、北朝鮮崩壊説など西側メディアの伝える数々の偏見、誤解をただす。また、後継者金正恩がかつての抗日遊撃隊関係者の第二世代、第三世代に支持され登場してきた権力基盤の確かさと今後の展望も明かされる。韓国の北朝鮮研究者にもっとも評価されている必読書、その待望の日本語版。
目次
第1章 金正日の登場―二〇〇〇年南北首脳会談
第2章 イメージと現実―金正日のリーダーシップ
第3章 北のすべてのものが彼へと向かう―金正日の北朝鮮
第4章 彼は何者なのか―金正日の私生活
第5章 「創られた神話」と「誤った推論」の狭間で―出生と成長(一九四二~一九六四)
第6章 権力のバトンを引き継ぐ―後継者への道(一九六四~一九七四)
第7章 掌中の泥―北朝鮮崩壊論の虚と実
第8章 後継者金正恩の登場
あとがき 「取材ノートを閉じて―イメージから現実へ」
著者等紹介
鄭昌鉉[チョンチャンヒョン]
1964年生まれ。ソウル大学卒、同大学院博士課程修了。1994年中央日報現代史研究所(統一文化研究所)に専門記者として入社したのち、10年間おもに南北現代史、南北関係分野の企画連載に携わる。統一部南北対話事務局諮問委員、慶南大学北韓大学院兼任教授を歴任。現在(社)現代史研究所所長、雑誌『民族21』編集主幹の任にあり、国民大学教養課程兼任教授
佐藤久[サトウヒサシ]
1951年生まれ。翻訳家。法政大学ボアソナード記念現代法研究所委嘱研究員。訳書『和解のために―教科書・慰安婦・靖国・独島』(朴裕河著、平凡社、第7回大佛次郎論壇賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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