内容説明
生涯を費やしてそれぞれの「主題」を反復し、書くこと(=読むこと)それ自体の幻想性/倒錯性/身体性を往還しながら、日本近代文学史上に屹立する三人の小説家。彼らの「奇蹟的な一貫性」を、放胆かつ詳密に、飽くことなく探究した著者による、文芸批評の金字塔。
目次
幻影の杼機―泉鏡花論(幻想文学論序説―正岡子規「叙事文」から;幻影の杼機;夢の符牒・符牒の夢―『春昼』『春昼後刻』論 ほか)
擬態の誘惑―谷崎潤一郎論(愚かさについて;痴と愛―「芸術家」谷崎潤一郎;描写と欲望―「小説家」谷崎潤一郎 ほか)
愛しさについて―中上健次論(不実なる「一」にむけて;真近さについて―夏ふよう/夏芙蓉;愛しさについて―秋幸の皮膚呼吸 ほか)
著者等紹介
渡部直己[ワタナベナオミ]
文芸批評家・早稲田大学文学学術院教授。1952年、東京都生まれ。1976年、早稲田大学大学院修士課程(フランス現代文学)修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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