内容説明
40年を経て、初めて当事者が語る歴史の真実。
目次
前説 かつて米軍脱走兵を支援する市民の運動があった
第1章 五か月間の放浪―解決の模索と、得られた収穫
第2章 最終作戦の具体的準備と実行
第3章 後日談から
後説 経験をふりかえって
当時を知らない読者へ―どういう時代の、どういう運動だったのか
資料篇
著者等紹介
高橋武智[タカハシタケトモ]
1935年、東京生まれ。1957年、東京大学文学部仏文科卒業後、同大学院で18世紀フランスの啓蒙文学・思想を専攻。59年、文学修士、62年、同博士課程満期退学。1965~67年、フランス政府給費留学生として、パリ大学(ソルボンヌ)に留学。1963年から立教大学一般教育部講師、のち同助教授として、フランス語・18世紀フランス文学・ラテン語を講義。大学紛争さなかの1970年に、依願退職。以後、一方で自由に教鞭をとり、他方で翻訳・著述に専念。1998年より、リュブリャナ大学(スロベニア)文学部客員教授として、年に一、二回、日本の歴史・思想・文学の集中講義を行なっている。高校時代から「日本戦没学生記念会」(わだつみ会)の会員として活動、現在にいたる(1994から98年まで、同会理事長)。1960年代後半から70年代初頭にかけ、ベ平連・ジャテックにかかわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
5
60年代後半からのベトナム戦争反対運動を推進した市民団体の活動記録。脱走米兵を日本国内で匿い、海外へ脱出させるまでの一連の行動に携わった著者の回想記。ソ連経由スウェーデンのルートが米国情報機関員のなりすましで発覚した後、新たな脱出ルートを構築するためにパリを中心にヨーロッパの活動団体らと精力的に接触を図りながら、奮闘の末に脱走米兵の密出国を成功させるまでの過程が描かれる。{日本国憲法は戦争放棄ではあるが他国の市民に対しては戦争に抵抗する権利を認めていない(p26)}との指摘は考えさせられます。2015/10/12
Mitsuhito Shiraha
1
ベ平連由来のアメリカ兵脱走を手助けする組織ジャテックメンバーによる生々しい行動記録。パスポート偽造の為の渡仏、ナチスに抵抗したレジスタンスの歴史を持つフランス人達の力を借り偽造パスポートを手に入れてアメリカ兵たちをスェーデンに逃すことに成功する手筈が詳細に記されていて迫真性がある。2022/11/26
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