内容説明
本書は、現代平和学の第一人者であり、世界の平和運動のリーダーとしても精力的な活動を続けているヨハン・ガルトゥングが展開する「ガルトゥング平和学」の現在を提示する試みである。日本に住むわれわれが平和をめぐる様々な問題にどう対処していくかを問うものである。「平和ボケ」といわれる状態にあって、どこから手をつけ始めればいいのかわからない若い学生をはじめ、さまざまな人々に平和について考えるきっかけを掴んでもらいたい。
目次
1 Introduction(平和とは何か;トランセンド法入門)
2 Theory(平和学とは何か;平和学における認識論と方法論;戦争の理論から平和の理論へ―2001年の「真珠湾」の日;「構造的暴力理論」の批判的考察と平和学の課題)
3 Application(9.11/10.7以降の世界―テロリズムとめぐる3つの言説;東アジアの平和構想と日本の役割;平和的価値の創造における芸術の役割;平和研究者がなぜ現代非合理主義批判に取り組むのか)
著者等紹介
ガルトゥング,ヨハン[ガルトゥング,ヨハン][Galtung,Johan]
1930年生。前オスロ国際平和研究所所長。現在、平和と開発のためのネットワーク「トランセンド」を主宰。1987年度ライト・ライブリフッド賞(もう1つのノーベル賞と呼ばれる)受賞。2003年よりトランセンド平和大学(TPU)を主宰している
藤田明史[フジタアキフミ]
立命館大学及び大阪女子短期大学非常勤講師(平和学)。日本平和学会、学生若手パグウォッシュ会議、トランセンド(平和的手段による紛争転換)研究会所属。国際トランセンド・トレーナー
安斎育郎[アンザイイクロウ]
立命館大学国際関係学部教授、同・国際平和ミュージアム館長。日本平和学会理事。ジャパン・スケプティクス(超常現象を科学的・批判的に究明する会)会長。原水爆禁止世界大会起草委員長
伊藤武彦[イトウタケヒコ]
和光大学人間関係学部教授。日本心理学会、心理科学研究会、日本平和学会、トランセンド研究会所属。日本科学者会議平和・軍縮教育研究委員会委員長。国際トランセンド・トレーナー、トランセンド研究会副会長、「トランセンド研究」編集委員長
奥本京子[オクモトキョウコ]
大阪女学院短期大学助教授。国際平和学会、日本平和学会、日本シェイクスピア協会、日本英文学会、日本ヴァージニア・ウルフ協会、芸術とヘルスケア協会、日本科学者会議(平和・軍縮教育研究委員)所属。トランセンド研究会副会長(事務局担当)、国際トランセンド・トレーナー、Transcend、Art and PeaceのBoard of directorsにおいてアジア代表を務める
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