中国化する日本―日中「文明の衝突」一千年史

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163746906
  • NDC分類 210.18
  • Cコード C0095

出版社内容情報

本書は、現在の日本社会の抱える様々な問題や、今後の中国社会とのつきあい方について考えるきっかけを提供すると同時に、この専門家のあいだではもう常識なのに一般の歴史ファンにはなかなか広まっていかない新しい通史像を、読者のみなさんにわかりやすくお届けすることを目的にしています。(中略) 読み始めていただくにあたっての予備知識は、せいぜい高校レベルの常識的な日本史の知識さえあれば十分(ただし、本書を読み終える頃には、それらの知識が高校までの教科書とはまったく異なるストーリーの上に、配列されていることに気づくはずです)。
――「はじめに 新たな歴史観としての「中国化」」より

内容説明

日本の「進歩」は終わったのか―ポスト「3・11」の衝撃の中で、これまで使われてきた「西洋化」・「近代化」・「民主化」の枠組みを放棄し、「中国化」「再江戸時代化」という概念をキーワードに、新しいストーリーを描きなおす。ポップにして真摯、大胆にして正統的、ライブ感あふれる、「役に立つ日本史」の誕生。

目次

はじめに 新たな歴史観としての「中国化」
第1章 終わっていた歴史―宋朝と古代日本
第2章 勝てない「中国化」勢力―元・明・清朝と中世日本
第3章 ぼくたちの好きな江戸―戦国時代が作る徳川日本(17世紀)
第4章 こんな近世は嫌だ―自壊する徳川日本(18~19世紀)
第5章 開国はしたけれど―「中国化」する明治日本
第6章 わが江戸は緑なりき―「再江戸時代化」する昭和日本
第7章 近世の衝突―中国に負けた帝国日本
第8章 続きすぎた江戸時代―栄光と挫折の戦後日本
第9章 「長い江戸時代」の終焉―混乱と迷走の平成日本
第10章 今度こそ「中国化」する日本―未来のシナリオ
おわりに ポスト「3・11」の歴史観へ

著者等紹介

與那覇潤[ヨナハジュン]
1979(昭和54)年生。東京大学教養学部超域文化科学科卒。同大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学、博士(学術)。日本学術振興会特別研究員等を経て、愛知県立大学日本文化学部歴史文化学科准教授。専攻は日本近現代史。東アジア世界に視野を開きつつ、フィクションという形に結晶した経験をも素材とした、歴史学の新しい語り口を模索している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あちゃくん

79
続けて二回読みました。一回目は自分の持っている歴史観を破壊する為に。二回目は歴史観を再構築する為に。この本の内容を、咀嚼し嚥下しきれているかは自信ないけど、歴史に対して新たな視座を手に入れたのは確かです。歴史を「中国化・郡県制」と「江戸時代化・封建制」の2軸で見ていくとこんな理解ができるんだということも新鮮でしたし、「中国化」や「明治維新より成功したのは昭和維新」といった話も刺激的でした。以前ちくま新書の「近代中国史」を読んでいたので、「宋」が持っている歴史的意味を把握していたので、より理解が進みました。2014/01/20

どんぐり

32
オタク系の学者が書いたマニアックな歴史研究。文体はアカデミックな物言いには程遠く、ちょっとふざけた雑学オンパレード。「中国化」「再江戸時代化」の二極化に味付けしてみせながら論じたもの。本書でいう「中国化」とは、日本社会のあり方が中国社会のあり方に似てくることを意味し、自由化を徹底し、今は負け組の人でも戦い続ければいつかは自力で勝ち組に這いあがれるような、より競争的で流動的な社会のことである。これは宋朝時代の中国がそうだったらしいが、真実はちょっと怪しい。一方、再江戸時代化は独り勝ち状態になっている一部の人2014/02/27

昭和っ子

25
グローバル化とは西洋化ではなく中国化する事だった―。中国ではすでに宋の時代から自由経済が発達しリッチになっており、それをまねようとした平家は既得権を守る集団の源氏に滅ぼされ、鎌倉はグローバル国家「元」の襲来もなんとかはじき返し、「分裂抗争していた日本マフィアの大合同」を成し遂げた秀吉の、環日本海貿易圏争奪戦だった朝鮮出兵も失敗に終わり、新田開発によるジャポニカ米普及の成功で皆そこそこ食べていける代わりに、自由経済を封鎖し家と身分を守る事で全員に少しずつ我慢を強いていた江戸時代に日本は固有の発展を遂げる。2014/10/19

小鈴

19
出会いはNHKの番組ニッポンのジレンマで鋭いコメントをしていたためなんとなく読んでみたが、これは凄いです!与那覇史観は丸山眞男を超える、ていうか明治から1970年代まで様々な分野で日本の近代化について語られて来ましたが、80年代以降の日本史・世界史研究を踏まえた新説いや真説(笑)・近代化論であり、過去の近代化論を乗り越えた思想/理論です。近代化論に関心が高い人ほど驚く内容 です。中国化(グローバル化)/再江戸化(保護主義化)をキーコンセプトに、千年の歴史を分析してます。2012/04/09

16
タイトルはなんか過激そうに見えるけど、そんなこともなく、皇帝専制、身分制崩壊、経済の自由化という点で日本と中国に宋王朝の影響がどれほど大きかったかという観点から日本の歴史をシニカルに振り返る刺激的な一冊。巻末に記載された大量の主要文献と出てくる映画や小説を片っ端から読みたくなる。満州国建設はクシャナ殿下の「我らはこの地に王道楽土を建設するために来た」で、ナウシカは日本近世と中国近世の文明の衝突だという指摘にしみじみ納得。2018/12/02

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