出版社内容情報
活字文化の花形であった近代の文学作品は、物語と同時に書かれた時代そのものの吐息も鮮明に伝えてくれる。哀しみ、苦しみ、はかなさ、喜び、夢、希望、すべての作中人物の息遣いをとおしてリアルタイムに直接わたしたちに呼びかけてくれる。だからこそ漱石以外も魔的に面白い。七年にもおよんだ産経新聞連載「倉橋健一の文学教室」。新たに数本の加筆と対談を得て、古今東西の名作がよみがえる。いま、格好の文学案内。
(近代編)尾崎翠/小林多喜二/室生犀星/石川淳/有島武郎/夏目漱石/谷崎潤一郎/島崎藤村/井伏鱒二/堀辰夫/織田作之助/太宰治/山川菊栄/内田百?/徳田秋声/折口信夫/菊池寛/知里幸恵/柳田国男/川端康成
(戦後編)金子光晴/島尾敏雄/高橋和巳/椎名麟三/宇野浩二/高見順/伊藤整/里美?/林芙美子/広津和郎/深沢七郎/檀一雄 (現代編)辻井喬/吉村昭/堀田善衛/石牟礼道子/野坂昭如/井上ひさし (近世編)仮名手本忠臣蔵/三遊亭円朝/井原西鶴 (海外編)メリメ/ラファイエット夫人/トルストイ/チェーホフ/サルトル/ボードウィン/ウルフ/レマルク/ドストエフスキー/ブロンテ/ミシュレ/ホーソン/カフカ/カミュ/コクトー/フォークナー/ポオ/ヒューズ (詩歌編)北原白秋/高村光太郎/山村暮鳥/小野十三郎/三好達治/丸山薫/黒田三郎/吉野弘/吉原幸子/荒川洋治/金時鐘/石原吉郎/平田俊子/寺山修司/山頭火/ヌワース/ランボー ほか (対談)文学が担うものをめぐって
倉橋 健一[クラハシ ケンイチ]
詩人、文芸評論家。昭和9年、京都市生まれ。詩集に『区絵日』『暗いエリナ』『藻の未来』『異刻抄』『化身』『唐辛子になった赤ん坊』『現代詩文庫 倉橋健一詩集』など。評論に『抒情の深層』『世阿弥の夢』『詩が円熟するとき―詩的60年代還流』『倉橋健一選集』(全6巻)ほか。
今西 富幸[イマニシ トミユキ]
ジャーナリスト、詩人。昭和37年、大阪府生まれ。関西学院大学経済学部卒業後、産経新聞社入社。岡山総局、大阪本社社会部、文化部、神戸総局次長を経て平成17年からフリーランスに。共著に『人権考』『税金考』『国際婚外子の子どもの人権』『奇跡の川 天の川プロジェクト』、詩集に『火の恍惚をめぐる馬』。
内容説明
七年にもおよんだ産経新聞連載「倉橋健一の文学教室」。新たに数本の加筆を得て、古今東西の名作がよみがえる。いま、格好の文学案内!!
目次
近代編(尾崎翠『第七官界彷徨』;小林多喜二『工場細胞』『オルグ』 ほか)
戦後編(金子光晴『西ひがし』;島尾敏雄『死の棘』 ほか)
現代編(辻井喬『終りなき祝祭』;吉村昭『三陸海岸大津波』 ほか)
近世編(仮名手本忠臣蔵;三遊亭円朝『牡丹燈篭』 ほか)
海外編(新約聖書 福音書;メリメ『カルメン』 ほか)
詩歌編(北原白秋『思ひ出』;高村光太郎『道程』 ほか)
著者等紹介
倉橋健一[クラハシケンイチ]
詩人、文芸評論家。昭和9年、京都市生まれ。同人詩誌『山河』『白鯨』を経て、現在、総合文芸誌『第2次イリプス』主宰
今西富幸[イマニシトミユキ]
ジャーナリスト、詩人。昭和37年、大阪府生まれ。関西学院大学経済学部卒業後、産経新聞社入社。岡山総局、大阪本社社会部、文化部、神戸総局次長を経て平成17年からフリーランスに。産経新聞社在籍中は連載企画『人権考』で第1回坂田記念ジャーナリズム賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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