内容説明
もともと佛教体系の内にはない、あるいはその枠内にはあってもきわめて周辺的なものとしてしか扱われてこなかった十六羅漢が描かれた図像群を、そこに登場する鬼神や動物といった脇役たちと絡めつつ、また佛教伝播のプロセスも踏まえながら、時に先達たちの研究成果に基づき、また時に空想を大いに膨らませて、説話図として縦横に読み解いた一冊。
目次
十六羅漢図はもともと説話図である―はじめに
第1章 降龍羅漢図説話
第2章 中国における龍―超越神から弱者へ
第3章 『大阿羅漢難提蜜多羅所説法住記』一巻の十六羅漢
第4章 『高僧伝』十四巻に見る高僧と龍蛇
第5章 高僧と十六羅漢
第6章 伏虎羅漢図説話
第7章 渡水羅漢図と降龍羅漢図
著者等紹介
中村興二[ナカムラコウジ]
1938年京都市生まれ。1968年京都大学大学院文学研究科博士課程(美学美術史学)単位取得退学京都国立博物館学芸員。1977年奈良女子大学文学部助教授。2000年京都市立芸術大学美術学部教授。2003年大阪成蹊大学芸術学部教授。2008年同退職。現在、奈良女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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