出版社内容情報
本書のオリジナル原稿は、元B29搭乗員であったH・R・バーン氏が自分の戦争体験を自身の家族や戦友の家族のために個人的に書き残し、ニューイングランド航空博物館に寄稿したものである。日本空襲に関わった彼がどのような動機から戦争に参加し、どのような訓練を受け、日本空襲に参加するに至ったか。それが本書の第1部から第3部までである。
第4部はバーン氏が関わった日本空襲に関する記録を訳者・藤本文昭が国会図書館や米国立公文書館から入手した資料とつき合わせ、できるだけ正確な空襲資料を二人で作ろうと試みた。
第5部は、かつての攻撃目標・今治にバーン氏が訪れ、戦災体験者や小学生、高校生と交流をした記録である。戦後、民間人としての生活に戻った元米兵の脳裏を様々な思いが去来する・・・
都市空襲を実行した「恐ろしい」B搭乗員と目の前で穏やかに話しているバーンさんの優しい人柄は、私の中でどうしても一致しない。しかしまぎれもなく、バーンさんは日本を焦土にした作戦の参加者だった。戦争は一個人の人柄や感情を抑えこんだ国家レベルでの殺りく行為である。本書を読み、またその著者と交流しながら改めて戦争と平和について考えるようになった。
(今治明徳高校矢田分校 平和学習実行委員会代表 竹田一生)
平和学習を通して、戦時下の日本のことだけでなく攻撃側であったB搭乗員の様子も知ることができました。戦争ほど悲惨なものはない、本書の後半に書かれた都市空襲記録の行間には、言葉では言い尽くせない当時の日米国民のせめぎ合いが表現されているように思います。戦災体験者、また空襲実行者が少なくなっている現在だからこそ、自分たちが学んできたことを同世代や後世に伝えることが一層重要になっています。平和を維持していくのは自分たちの役目であるという気持ちで、これからも様々な活動に励むつもりです。
(平和学習実行委員会 谷口芙紗江)
<本書あとがきより>
-
- 洋書
- PEUR NOIRE