出版社内容情報
レンズの前には、いつも子どもたちがいた。撮影したのは戻らぬ時間だった。ネパール取材20年。貧しい村、子どもたちとの交流、マオイスト……。様々な時と場面を撮影すると、そこには社会の移り変わりと私自身の変化が。写真で見るネパールの現代史!
内容説明
薄汚いバックパックにフィルムとわずかな着替えを詰め込み、ネパールへ。インドにほど近いソウラハという村。カルパナという少女とその一家、村の子どもたちに日々カメラを向け続けた。発表のあてなどなく、ネパールに通うたび、六畳一間のボロアパートにネガと紙焼きだけが積もっていった。あれから三〇年、眠っていた当時の写真を見返すと、どうあがいても二度と撮れないものが、ぎっしりと詰まっていた。過ぎ去った日々の重さに想いを巡らすと、時に心が暖まり、時に哀しくなるのだった。
目次
カルパナの村
児童労働
山村
マオイスト
再訪
著者等紹介
八木澤高明[ヤギサワタカアキ]
1972年神奈川県生まれ。ノンフィクション作家。写真週刊誌カメラマンを経て、フリーランスとして執筆活動に入る。世間が目を向けない人間を対象に国内はもとより世界各地を取材し、『マオキッズ 毛沢東の子どもたちを巡る旅』(小学館)で小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Nick Carraway
1
八木澤氏は20代のはじめに写真家を志してネパールのソウハラ村を訪ね、カルパナという名の少女とその一家、村の子どもたちを撮影。また町で働く子どもたち、カルパナの父親の故郷の村の人々、被差別カーストの人々の貧困、更に貧困の解消・王政打破のために武装闘争したマオイストの若者たちを撮影。2010年、16年ぶりに訪ねたソウハラ村で、大人になったカルパナや子どもたちと再会。2024年に本写真集刊行。モノクロの写真と八木澤さんの文章から、失われた命や失われた年月への切なさが立ち昇る。ネパールへの愛しさが増してくる一冊。2025/10/28




