内容説明
『週刊SPA!』(扶桑社)好評連載コラム、待望の単行本化第19弾!読んで、笑って、考える。人気劇作家が贈る至福の時間。身近な話題から、文化世相に社会問題まで、縦横無尽に語り尽くすKOKAMI流痛快エッセイ。
目次
サンタとニンジャは同じである
AIの進化は「人間とは何か?」を突きつける
オールナイトニッポンの思い出
くたばれ、文春砲!
ゾッとするCMの話
エゴ・サーチは、深い沼である
五木寛之さんの知恵
『ロンドン・デイズ』は面白い
あの素晴らしい愛をもう一度コンサート
新幹線内で肉まんを食べる〔ほか〕
著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
作家・演出家。愛媛県生まれ。早稲田大学法学部出身。1981年に劇団「第三舞台」を結成し、以降、作・演出を手がける。現在はプロデュースユニット「KOKAMI@network」と若手俳優を集め旗揚げした「虚構の劇団」での作・演出が活動の中心。これまで紀伊國屋演劇賞、岸田國士戯曲賞、読売文学賞など受賞。舞台公演の他には、エッセイスト、小説家、テレビ番組司会、ラジオ・パーソナリティ、映画監督など幅広く活動。また、俳優育成のためのワークショップや講義も精力的に行うほか、表現、演技、演出などに関する書籍を多数発表している。桐朋学園芸術短期大学特別招聘教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西
27
鴻上さんに気付かされたことは多くて、今思うのは不寛容さが日本に広がっていること。そして自分自身、他者を受け入れるレベルが下がっているようにも思う。相手の立場、何か事情があるのではと思う気持ち。無論何でも受け入れるのは違うけど、自分の意見と異なる意見があって当たり前なことを忘れてはいけないと思う。物事に対して、いろんな見方ができる人でいられるようにしたいなと思う2020/12/13
Yasutaka Nishimoto
4
このシリーズは、途中ヌケもあると思うがだいたい読んできたと思う。最近は分厚くなってきて、3年分が詰め込まれているとか。出版事情やいろいろあるのだろうけれど、出版社を変えながら、よく19冊目まできたのだと思う。今回は、エッセイというよりも日記風の文章が多い。若い頃、著者の文章を写すことで文体やらなにやら学んだものだが、少し書く方も読む方も年を重ねたのか、刺激が少なくなったのは寂しい。それでもおもしろいんだけど。誤植1カ所。できれば重版かかって直してもらえるのを期待。2020/10/28
ぽー
4
2019~2020年のドンキ。twitterで鴻上さんの動向はチェックしている筈なのに「オールナイトニッポン」50周年記念番組を3カ月もやっていた事知らなかったりもあるけど、人生相談で人気出たり、コロナで炎上したり色々あったなあと。お父さんが亡くなった葬式の話は自分の父親の葬儀の時とかぶったり、アウシュビッツ行った時の話が「バンド・オブ・ブラザース」の”何のために戦う”の収容所の回をたまたま見てる時に読んだので胸が悼んだり、どんなに想像力があっても当事者にならないとわからない事もあるというのに首肯。2020/09/23
marua
3
いつの間にかこのエッセイ掲載してる媒体版元からは単行本出してくんない&体裁もソフトカバーになっちょる…「ドン・キホーテ」に歴史あり、だなあ。でも言ってることはほんと、一貫して変わっていなくて長年と読者としてはほっとする部分もある。そう、作家の姿勢は変わっていないのに世の中とメディアの在り方が劇的に変わったから、作家を分類するラベルも変わってしまったというように見える。2019年の最後の一行「2020年も生き延びましょう!」の意味がこんなにより切実に迫る世の中になるとは思わなかったしね。2020/11/15
ecuas
3
トピックは芝居の話題ばかりでなく、普段の生活に通じるエピソードが多く、また、そこから生まれる考察もいずれも一歩踏み込まれた内容で、聞けば納得だが自分では思いつけない適当なレベルになっているため、多くの人の視野を広げる一助になると思う。 アウシュビッツの、ドイツ人ではなくユダヤ人がユダヤ人を監視するシステムや、自分たちの正義を信じ粛々と理性的に行われた虐殺の話は、現代の同じ社会に暮らす人への自粛警察や、SNSでの誹謗中傷にも通じるようで、正義がたどり着いてしまった地獄は違った形でここにもあると感じた。2020/10/05