内容説明
キャッスルフォード家を巡る財産問題の渦中で起こる悲劇…クリントン・ドリフィールド卿が事件の謎に挑む!
著者等紹介
コニントン,J.J.[コニントン,J.J.] [Connington,J.J.]
1880‐1947。本名アルフレッド・ウォルター・スチュアート。スコットランド、グラスゴー生まれ。グラスゴー大学で化学を専攻し将学金を得てロンドンの大学へ入学、同校で研究を続ける。1908年に刊行されたRecent Advances in Organic Chemistryは教科書として広く使用された。教授としてベルファーストのクイーンズ大学に勤務し、物理化学と放射線の講義を受け持つ。推理作家としては『或る豪亭主の死』(1926)でデビュー。24冊のミステリを刊行した。“読者への挑戦状”が作中に挿入される趣向を、エラリー・クイーンに先駆けて自作に取り入れた
板垣節子[イタガキセツコ]
北海道札幌市生まれ。インターカレッジ札幌にて翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maja
17
亡夫の遺産で気ままに過ごす女主人と彼女の遺産をあてにする親族たち。彼らは相手にされてない現夫と連れ子の娘を尻目に遺言状の書き変えに弄する。そうしたなか銃事故ではと思われる女主人の死が。無効になった遺言状は現夫には有利に働くのだが・・。関係は近いが気持ちはまったく離れている取巻く人々の欲の深さ。癇に障ってくる少年もいる。田舎の巡査や警部もいろいろ味つけされていて推理して読むのは楽しかった。2024/04/27
koo
9
財産を独占する女主人と財産を狙う家族が集まったお屋敷で起こる殺人事件、事件が起こる前から誰がどのように殺されるかわかりやすい正に古き良きスタイルでした(笑)ただ事件発生、関係者への聴き取りまでがやたら冗長でここから真の探偵役が登場してペースアップするんですが全体として100ページは圧縮して欲しかったですね。探偵役が論理的推論から犯人を追及してゆくのは良かった一方で犯人の仕掛けたトリックはちょっとがっかりさせられますが時間に余裕がある時に本格作品に浸りたい方にはおすすめできる作品だと思います。2023/12/10
スプリント
7
オーソドックスな推理小説といった感じです。 丁寧に人間関係を説明し、現場の状況とアリバイの説明がしてくれているので推理しながら読みすすめると楽しいです。2019/12/31
nightowl
4
遺言書の書き換えで揉めていた当人が亡くなった。当初は誤射事件と思われていたが...?地味で堅実なパズラー。「九つの解決」に比べると長く感じる反面、如何にもな胡散臭い遺産狙いの人々や邪険に扱われる父娘など古典ミステリの典型ならこちら。丹念さに好感。奇想アイディアでデビューしたとはとても思えない...2019/10/29
ekoeko
3
遺言書を残さず殺害された女主人。無遺言の死が引き起こす事件の真相。関係者への捜査が延々と続くので退屈。クリントン卿が後半にならないと登場しない。2019/12/20