出版社内容情報
3.11東京電力福島原発の事故をめぐって、当時の役員の損害賠償を求めた株主訴訟で、東京地裁は役員4人に対し13兆円の支払いを命じた。役員らが、津波地震発生の予見可能性を無視し、津波被害を防ぐ努力を怠ったことを理由とするものであった。直前に出された最高裁判決と真逆の内容となった判決の意義と再稼働が進められ用としている原発政策の問題点を、弁護団が明らかにする。
内容説明
福島第一原発事故は防ぐことが可能であった!原発事業者としての義務を怠った東電役員を断罪した歴史的判決はどのようにして勝ち取ることができたのか。弁護団による迫真のドキュメント。
目次
第1章 市民運動としての東電株主代表訴訟
第2章 東電株主代表訴訟はどんなふうに進められたのか
第3章 原発の安全確保について取締役の負う義務と原発事故の被害についての主張立証の積み重ね
第4章 推本の長期評価と貞観津波の津波対策を基礎づける信頼性について“争点1”
第5章 福島原発事故をめぐる東京電力物語
第6章 判決はどんな論理で被告五名の取締役としての任務懈怠を認めたのか“争点2”
第7章 事故は回避できたのか“争点4”
第8章 被告らに命じられた一三兆円余の持つ意味“争点5”
第9章 判決の意義と今後の課題―判決は東電・国による責任の否定・被害の否定に抗する橋頭保となる(河合弘之×海渡雄一 インタビュー:大河陽子)