内容説明
平成最後の大「改革」の内幕を暴く!徹底的な取材によって浮き彫りになっていく事実。「働き方改革」は安倍政権の経済政策であり、労働者保護を目的とするものではない。
目次
プロローグ 二〇一五年一二月
第1章 将軍
第2章 首相裁定
第3章 電通事件
第4章 連合の苦悩
第5章 国会審議
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
227
ひとつの法律が成立するまでにこんなやり取りをするのかと勉強になる。電通の事件は痛ましいなと思うし、労使交渉、国会審議でも変なやりとりが多いなと思った。いわゆるご飯論法は無駄な議論なのでやめて欲しいな。素直に分からんとかここ直しますとか言えばいいのにそれが政治ってやりにくい世界なんだろうな。2019/08/27
かんがく
13
働き方改革法案の成立過程を、高橋まつりさんの過労自殺事件とともにまとめたドキュメント。ところどころ「ルポ感」を狙った文体が滑っている感じがしたが、内容としては面白い。特に官僚と連合の動きは、安倍政権通しての空気を表していると思った。2022/12/30
Yuichi Tomita
5
働き方改革関連法が成立するまでを追った朝日新聞記者によるドキュメント。元々厚労省、経団連、連合と関係当事者が多い中、そこに首相官邸や過特、電通事件、野村不動産事件が絡む。記者と関係者の生々しいやり取りも記録されている。 個人的には法律自体は中途半端な結果になったと感じているが、これだけ関係者が多いとなかなか纏まるまい。 安倍政権の強引さ、高橋まつりさんのエピソードの強烈さ、連合の混乱ぶりが特に印象に残る。2019/06/17
すのす
3
朝日新聞記者による、働き方改革の議論の裏側を追ったルポ。大きな柱としては、内閣官房での働き方改革の議論の内幕(新原局長のキャラ等)、連合内部での議論(高プロを巡る事務局と各労組の関係)、電通の過労死事案・裁量労働制のデータ問題・東京労働局長の発言問題といった個別の出来事と審議等の関係、といったところ。ここまで大きな政策立案だと、裏の動きも大きい。2019/12/19