内容説明
急逝より10年、「中島らも」以前の傑作。“幻”と呼ばれた処女作『全ての聖夜の鎖』がついに復刊!秘蔵写真、詩、単行本未収録エッセイ・インタビューも収録!
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
20
手に取ったことはあるけれど、最後まで読んだ記憶のない中島らも。全24頁のこの冊子なら、読了可能と思い、借りて来る。不思議な本。夢の中の出来事を書いているらしい。こんな文章が出て来る。「彼女の顔がかつてない程強張っているのを僕は見た。大気の岩を削り取って微苦笑のままに彫り上げた横顔」「漆の禿げた窓枠からはの真夜中にそれでも黄色い光が溢れだしており、僕は長い彷徨の果ての激しい飢餓と人恋しさに歯向かおう術もなくその硝子戸を押す」。なにやら饒舌、そして意味不明。この本、中島らもの処女作、自費出版とのこと。2023/08/27
たんたん麺
11
土浦のシークセールでゲット!中島らもが営業マンだったころに友人に向けて自費出版したものです!荒削りだから中島らもがどう作られていったか分かりとてもうれしい!「妻よ」という詩は岡林の「友よ」の替え歌でしょう!思わずアコギひっぱりだして弾き語りしちゃいました!2014/11/04
なとりうむ
3
中島らもの前の名前らもん時代のものの復刻。 装丁がなんとも美しい。 かなり癖がある。中島らも好きならその癖が美味しくて仕方ないと思われる。 病み付きになった表現がいくつかある。反芻している。 ただし、中島らもの初読としてはあまり、おすすめできない。2016/01/29
あられ
3
堪能しました。小品ながら、読みごたえあり。他の本も読みたくなってきた。2014/08/25
siopy
1
中島らもが78年に100部のみ自費出版した後2度復刊された「本当の」処女作品集。体裁はそうとう変わっていて、真っ黒なA4コート紙20枚の表面のみに白文字で文章が綴られ、裏面は同一の模様が印刷された巨大トランプ形式。非常に幻想的な3本の短編が収められており、どれも後の中島らも作品の特徴である「エンタテインメント性」「読者サービス精神」はかけらもない。なので、気軽に勧めるわけにはいかないけど、ディープな中島らもファンには一読の価値あり。2014/10/10