出版社内容情報
雪が凍って大理石よりも堅くなった日、四郎とかん子は野原できつねの子に出会い、幻燈会の切符をもらいます。美しい文章と絵がこだまする空想物語の傑作。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mii22.
80
「かた雪かんこ、しみ雪しんこ」雪国のしんと澄みきった風景と林の中で開催される狐の幻燈会の幻想的風景。「ひるはカンカン日のひかり、よるはツンツン月あかり」昼と夜の美しい対比。「キックキックトントン、キックキックトントン」人の子と狐の子のほのぼのとした中にホロリとさせられる交流。瀬田貞二氏解説の最後に(この挿絵を描いた堀内誠一さんが、「小狐たちは、天使なんでしょうね」といいましたが、それはたしかだとわたしは思いました。)と書かれていますが私もその通りだと思う。だからこの物語を読むと心洗われるんだなぁと。2020/07/15
とよぽん
60
キックキック、トントン・・・雪わたりのできる極寒の季節、人間の子どもと子ギツネの不思議な交流に「信頼」の温かさを覚えた。先入観のない子どもだからこそ、子ギツネの真心を受け取ることができたのだ。語り伝えていきたい物語。2022/01/02
ぶんこ
57
言葉にリズムがあって、キックキックトントンと何度も繰り返して歌いたくなります。堀内さんの絵も素朴で味わいがあります。騙し屋のように言われる狐さんたちの悲哀が伝わってくるだけに、四郎とかん子の素直さが嬉しい。幻燈会に招待されて、お兄さんたちが手土産にお餅を用意してくれました。狐の紺三郎さんが「寄贈 お餅たくさん」のお札を出してくれハッとなりました。それまでお餅のことは頭か抜けていたのですが、招待されたのですものお礼は大事。「雪わたり」という現象も、今回この本の解説で初めて知りました。歩いてみたい。2022/01/29
みう
54
宮沢賢治のデビュー作。四郎とかん子の兄妹👦👧が、白い子狐・紺三郎から〈月夜の幻燈会 🎥 〉に招待される🌝❄「かた雪かんこ、しみ雪しんこ」「狐こんこん狐の子」「キックキックトントン、キックキックトントン🥾🎶」歌を口ずさむように愉しく読める 可愛らしくて微笑ましいお話。2025/01/10
ミーコ
49
「セロひきのゴーシュ」に引き続き 手にした宮沢賢治作品。表紙の絵が可愛くって・・・ 北国ならではの雪景色✨ 兄妹と狐たちの交流、駆け引きなしの楽しい世界でした。また宮沢作品 読んでみたいと思います。 2018/09/08