出版社内容情報
サイゼリヤの「ミラノ風ドリア(299円)」は、なぜ1,000回以上も改良を加えているのか―。外食業界随一の収益力を誇るサイゼリヤの創業者、正垣泰彦氏が「日経レストラン」誌上で続ける大人気連載がついに書籍化!「安心感を与える値付け」「ヒットを生む2つの大原則」「儲かる店を作る財務」「値下げの限界点を見極める」「他店舗化のポイント」「人材の育て方」「自社の強みをどう磨き抜くか」といった、マーケティングや経営に携わる誰もが直面する課題について、正垣氏がその解決策をズバリ解答。合理的で明快な考え方に度々ハッとさせられる、ビジネスパーソン必携の1冊です。
■「はじめに」より抜粋
ただし、「自分の店の料理はうまい」と思ってはいけない。それこそが悲劇の始まりだと私は思っている。なぜなら、「自分の店の料理はうまいと思ってしまったら、売れないのはお客が悪い。景気が悪い」と考えるしかなくなってしまうからだ。商売とは、お客様に喜ばれるという形で社会に貢献し続けることなのに、そんな風に考えてしまったら、もう改善を進められなくなってしまう。
別の言い方をすると、「良いモノは売れる……」という考え方は、地球の周りを太陽や惑星が回っているという昔の世界観「天動説」と同じだ。自分たちにとって都合良く世界を見ようとするのではなく、物事をありのままに見ようと、我々は努力しなければならない。科学は実験を通して、自分の仮説(思い込み)が間違っていることを教えてくれる。<中略>だから、我々もより良い状態を目指し続けなければならない。
本書のタイトル「おいしいから売れるのではない。売れているのがおいしい料理だ」には、目の前の現実を謙虚に受け入れて、本当にお客様が満足されることは何かを見極めようという私の思いを込めている。かけがえのない人生の中で、商売を通して社会に貢献し、仲間と楽しく仕事をしていきたいと思っているすべてのビジネスパーソンに、この本が少しでも役立ってくれれば、これ以上の喜びはない。 正垣泰彦
内容説明
理系経営者が明かす「仮説・検証」のマーケティング。サイゼリヤ創業者初の著書。
目次
第1章 「客数増」がすべて―お客様本位の物の見方とは(給料を削ってでも核商品を作れ;求められる「おいしさ」は店によって違う;物事をありのままに見る方法;お客様に安心感を与える値付けとは;品揃えは3タイプを意識せよ;マクドナルドは気付きの宝庫―店舗視察のコツ;ヒットメニューを生む2つの大原則;「安売り」と「お値打ち」は違う;大商圏向きと小商圏向きの味がある:流行の料理が売れるとは限らない)
第2章 十分な利益を確保するには―大切なのは儲かる仕組みづくり(最も大切な指標「人時生産性」;儲かる店を作る財務の大原則;仕入れは価格より、品質を重視せよ;経営計画を作る目的は責任者をはっきりさせること;値下げの限界点を見極めよ;原価率は40%以上あっていい;地方都市で成功する秘訣;震災という「異常事態」;多店舗化のポイント「立地創造」;海外進出の注意点)
第3章 リーダーと組織の在り方―人が頑張れるのは誰かの役に立つからだ(リーダーならビジョンを持て;人のために・正しく・仲良く;ビジネスとは心を磨く修業の場;失敗からしか学べない;能力を左右するのは「経験」;週に1度は商圏内の調査を;商売の原点を忘れないために;大切なのは公正な評価;数値目標は1つに絞れ)
著者等紹介
正垣泰彦[ショウガキヤスヒコ]
1946年兵庫県生まれ。67年、東京理科大学在学中にレストラン「サイゼリヤ」開業。68年の大学卒業後、イタリア料理店として再オープン。その後、低価格メニュー提供で飛躍的に店舗数を拡大。2000年東証1部上場。2009年4月、社長を退任して会長就任。国内店舗数860店(2011年2月末現在)、中国など海外に約80店を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みんと
naolog
リョウ
ue3104
キンセンカ