内容説明
元国際線客室乗務員、ニューヨーク在住、夫は米国系企業勤務、自身も会社を主宰するキャリアウーマン。順風満帆の人生の中で生まれた長女は、信じられない障害を背負っていた。繰り返される顔面の大手術、入れても入れても落ちてしまう「目の玉」…。「障害も個性の一つ」私は決してそんな簡単な言葉で片付けられるとは思わない。「障害児は親を選んで生まれてくる」私は選ばれるほど立派な人間じゃない。でも現実として、千璃は目鼻を持たないまま、今ここに存在する。母親とは、家族とは、そして私とは…。異国の地で障害と生きる母子の異色ドキュメンタリー。
目次
誕生
葛藤
試練
挑戦
起訴
審理
岐路
再生
著者等紹介
倉本美香［クラモトミカ］
１９６９年、東京生まれ。学習院大卒。米ニューヨーク在住。日本航空で国際線客室乗務員として活躍後、ビジネスコンサルティング会社「ＯＦＦＩＣＥ ＢＥＡＤ ＩＮＣ」を主宰し、日系企業や日本人アーティストの米国進出サポートを中心に活動中。二男二女の母（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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mukimi
116
女医友達のお勧めで。幸せいっぱいの華やかな元CAの筆者のもとに生まれた娘には多発奇形があった。彼女は娘のために戦い続ける。事実は小説より奇であり、生身の人間は小説より生々しく強い。彼女の筆致の凄まじさ、感情の揺らぎの切実さは、読んでいて苦しくなるほどだった。出生児を見て無言でその場を去ってしまった主治医に「誕生おめでとう」の一言だけでも欲しかったと苦い思いを抱え医療裁判に臨み続ける筆者の思いには、どんなに疲れていても眠くても怖くても、患者への声かけ・信頼関係構築の努力がいかに大切か知らしめられた。2022/02/14
ゆきち
64
障がいをもって生まれてきた子どもとそのお母さんの頑張りを応援したいという単純な思いと読み友さんの感想から手にしました。実際に手に取り、千璃ちゃんの写真とまえがきを読んだだけで、正直なところ気が重くなりました。何度も手術をうけた千璃ちゃんの写真があまりにも痛々しくて、お母さんの想いやアメリカの医療制度、子育て支援などがあまりにもシビアで…子どもを授かるということ、産むということ、育てるということ…全てが奇跡の連続と頑張る力の塊だと改めて突きつけられたからかもしれません。でも読んで良かった。ほんとに良かった。2018/04/15
Kenichi Yanagisawa
59
子供の誕生とともに幸せな家庭生活が待っていると信じていました。でも生んだ瞬間から今までの順風満帆の生活が一転しました。子供を取り上げてくれた産婦人科医は、「おめでとう」の言葉もなく、そのまま立ち去っていきました。主人が子供をカメラで撮ろうとしたとき、やめた方が良いと言われました。何故ならば生まれてきた娘の両目には、あるべきはずの眼球がなかったのです。義眼を入れるには目のあるべきところを広げなければなりません。器具をつかって眼孔を広げる必要があります。だんだん大きな球を入れて眼孔を広げていきます。実話です2013/04/20
美紀ちゃん
46
障害をもって生まれた子供を育て、壮絶な毎日を戦っているのに、美しく、そして会社も経営し、子供も４人いて、倉本美香さん素晴らしい。悩んでパニックになってしまうようなこともたくさん乗り越えることができる、強い人。選ばれたママなのだと思う。美香さん立派です。尊敬する。私も強くなりたいと思った。千璃ちゃんのあごのあたりなんかとてもとてもかわいらしい。生きる力・勇気を与えてもらえる本。2013/06/18
ゆずぽん
34
生まれてくれてありがとう・・・を読んで1作目もと思い手にした本。千璃ちゃんが生まれてから8年の月日を追った記録。壮絶な日々のなかで、いろいろなことに真摯に向き合う姿に圧倒された。日本とアメリカの医療制度の違い、裁判のあり方など、聞いてはいたけれど改めてびっくりすることばかりで、本当によくがんばってこられたと感服するばかりでした。2022/01/28
