内容説明
1990年、日本軍「慰安婦」(性奴隷制)問題が、韓国の尹貞玉梨花女子大学校教授によって提起され、韓国挺身隊問題対策協議会が結成された。日本の市民運動もこれに呼応し、日韓の女性連帯運動が開始される。日本政府は、文書がないことを理由に、日本軍も政府も、「慰安婦」問題に関与してこなかったと主張してきた。しかし問題解決を迫る勢いが国内外で強まり、政府としても何らかの措置を講じる必要が生じた。このためつくられたのが女性のためのアジア平和国民基金(略称「国民基金」のち「アジア女性基金」)であった。本書は、この「国民基金」を次善の策と考え一定の評価を与え、これをもって解決とする多くの人びとに対して、これでは真の解決策にはならないことを資料的に跡づけようとしたものである。
目次
第1部 日本軍「慰安婦」問題と「国民基金」解説編
第2部 日本軍「慰安婦」問題と「国民基金」資料編(「補償に代わる措置」と「責任者処罰」の提起;「民間支援募金」構想から「国民基金」へ;許すな!「国民基金」・緊急国際集会から第5回アジア連帯会議へ)
著者等紹介
鈴木裕子[スズキユウコ]
1949年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程日本史学専攻修了。現在同大学ジェンダー研究所招聘研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件