内容説明
ものづくりの現場の奥深くから見えてくる日本経済発展の真の力とは何か。神話的理解を超え、一貫した視点で苦闘から隆盛への展開過程を制度やガバナンス、国際環境にも注目して描き出す。今日の停滞局面への示唆にも富む、新たな標準をなす通史決定版。
目次
序章 日本のものづくりを経営史でいかに解きあかすか
第1章 江戸時代の経営
第2章 近代企業の形成―幕末開港から第1次世界大戦まで
第3章 近代企業の変容と大量生産の胎動―戦間期
第4章 日本的経営の形成と展開―日中戦争からバブル期まで
終章 バブル期以降の展望
著者等紹介
粕谷誠[カスヤマコト]
1961年埼玉県に生まれる。1989年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。東京大学助手、名古屋大学経済学部助教授等を経て、東京大学大学院経済学研究科教授、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
6
江戸時代から2000年代頃までを5つの章に分けて、概要・主な産業の興亡の特徴・組織制度の変化を短くまとめた一冊。情報の圧縮度がすさまじく、数頁読み進むだけでも集中力を使う。技術大国とよく聞くが、それは戦後になって欧米のコピーを脱却してからで、その技術というのも具体的には厳しい公差内でものを作れる精度の高さと複数の専用部品で作られる製品を関連各所のすり合わせで実現できる能力だった。2000年代頃になるとモジュール化で長所が活かせなくなり、高コスト体質もあって劣勢になったとまとめている点が特に興味深かった。2020/04/24
KAZOO
4
ものづくりの視点から日本における江戸時代から現代までの企業の経営史について説明しています。どちらかというと産業史的な側面が強いと感じます。今までこの分野の本とは異なるところが多く、織物・醸造・陶磁器・綿紡績などの分野に分けてしかも技術的な面から図解などを多く活用しています。かなりボリュームがあるので時間がかかりますが、このような読み応えのある本も時には読んでみることをお勧めします。2013/03/01
takao
2
ふむ2025/01/24
駒場
2
江戸から現代まで、紡績や鉄鋼、時計、自動車、カメラ……と様々な産業がどう発展してきたかを述べた約500ページの重たい本。通して読むとある種の「発展パターン」といったものが見えてくるのは面白いが、細かい技術の説明なんかもあって読むのに難儀した。大量生産体制はどのように整っていったのか?企業のガバナンスや雇用形態はどう変化してきたのか?日本経営史を理解するのには良い本だと思う。高いけど2013/01/29
るるこ
0
就活脳だから読書メーターのアイコンをJTのロゴに空目した2013/02/01