感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
S.J.
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あくまでヒトの基準ではあるが、植物の命はヒトや動物に比べると遥かに軽い(軽く扱われる)。よほど歴史のある樹木でもない限り、罹病した植物は治療されることはなく、引き抜かれるか切り倒されてしまうのが一般的であろう。従って植物病理学の主な目的も、病気の治療よりも予防と防除が中心となる。ヒトや動物の病理学のテキストは専ら病原・病理の解説に終始することが多いのだが、加えて本書では病気の管理や検疫といった植物の保護全般について解説されているのも、植物病理学に特有の目的意識や考え方の現れなのだろう。2020/01/24