内容説明
最新研究では、古代豪族はどこまでわかっているのか。知っておきたい「論点」を、第一人者がわかりやすく解説!葛城氏・秦氏・吉備氏…個別氏族を徹底検証。最新発掘調査から読み解く豪族の実態。
目次
第1章 古代豪族とはなにか(「ウヂ」とはなにか―地方豪族の国政関与と渡来系氏族の皇別・神別化;古代豪族の系譜・系図を読み解く ほか)
第2章 ヤマト王権と古代豪族(「葛城氏」はどこまでわかってきたのか;「物部氏」の始祖伝承はどのように成立したか ほか)
第3章 地域王権の実相(「上毛野氏」と律令国家の地域再編成政策;「尾張氏」とは何者か ほか)
第4章 古代豪族研究の諸問題(古代豪族と神社の多様な関係;奈良盆地の遺跡が語る有力豪族の実像 ほか)
第5章 古代豪族研究入門(論点がわかれば、もっとおもしろくなる;これから古代豪族をもっと知るためのブックガイド)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くまきん
2
この本に収めれている、坂靖氏の「奈良盆地の遺跡が語る有力豪族の実像」を読むと考古学発掘調査の見地による古代豪族の実態の輪郭が見えてくる。 要は4-5世紀には政治的集団としての氏族は存在せず、在地の生産力を背景にした集団が政治的集団に成長して擬制的な同族となる。そしてそこを支配拠点として祭儀施設、居館、生産工房、倉庫、技術者集団(多くは渡来系)居住地、墓域などなどを形成して行くのである。 これを物部氏に当てはめれば、久宝寺遺跡と高安古墳群になるの「かも」しれない。 そこが今後の研究課題だ。2016/09/14
三休
2
古代豪族のことばかりではなく、蝦夷や隼人についての論考もあり。とくに蝦夷は王権によって創られたとの説。新鮮である。2015/09/20