内容説明
元科捜研の職員が相次いで死体で発見された。現場の一つから検出されたDNA型は、強制わいせつ事件の元被告人・北村のもの。しかし、捕捉された北村は殺人を認めず「過去のわいせつ事件もDNA鑑定を偽造された冤罪だ」と主張する。彼が提示した証拠は驚くべき事実を示しており、事件は予想外の方向へ向かう。全てを操っていたのは誰なのか。「筋読み」に長けた刑事・飯綱が科学捜査の闇に挑む!
著者等紹介
田村和大[タムラカズヒロ]
1975年生まれ。福岡県出身。一橋大学法学部卒業。NHK報道記者を経て、現在弁護士。第16回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、『筋読み』にて2018年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
初美マリン
96
こんな巧妙な事件を解決するなんて!2019/12/20
タイ子
76
シリーズ第2弾。天才的な筋読みをする警視庁捜査一課の刑事飯綱警部補。今回はDNA鑑定をめぐる殺人事件。元科捜研の職員が相次いで殺され、被疑者として追われるのは強制わいせつ事件で冤罪を訴えながら服役を果たして出所した男。再審請求を求める彼の前に現れた謎の人物。警察小説に欠かせない捜査会議のシーンが田村さんが書くと刑事たちの紛糾場面が臨場感があって面白い。飯綱刑事の「腐ってるな、あんた。反吐が出る」カッコイイ!DNAは最強の証拠だと思っていたが、本作のような使い方をされたら何を信じたらいいのかコワくなる。2019/09/22
さっこ
72
「筋読み」シリーズ第2弾。面白かった。強制わいせつの冤罪で刑期を終えた北村。出所後、真犯人は警察官でDNAが改ざんされたと一人の男に告げられる。その後、元科捜研職員が相次いで殺される。巧妙に仕組まれたDNAの罠にヨミヅナこと飯綱たち刑事が真相を追う。国家により冤罪を創り出せることへの怖さを感じました。DNA鑑定が一番の証拠であることへの警鐘を鳴らしていると思えた。2021/05/08
あっちゃん
41
シリーズ2作目!DNA鑑定をメインにした刑事もの!主役のヨミヅナの相棒女性刑事からの目線で見るせいか、最後には私までわかってたなら言ってよーとか思いましたが(笑)最後は犯人にガッツリ迫って逮捕でスッキリ( ̄▽ ̄)2023/05/29
JILLmama
39
飯綱刑事シリーズの2作目。 前作に引き続きDNA鑑定絡みの話。 警察が都合の悪い事を隠蔽して冤罪事件が出来る。 ここまで手がこまなくとも実際ありそうで怖いわ! 重めな内容なのだが、重厚感はなくサラッと読む警察小説です。結構アッサリ。2019/09/26